何故スクワットから逃げるのか

みなさまこんにちは。
パーソネルトレーナーの亀山です。
今回は、過去に書いた「ヒップアップに必要?不必要?」の
記事の続き的な形にはなります。
今回の記事は、
ヒップアップにおいて、ヒップアブダクション、ヒップアダクション(HA)が良く行われ、
スクワットなどが避けれれるかについての考察です。

スクワットの難易度

個人的にHAはSNS等を含めて見てきた傾向として、
女性に多く取り入れられる傾向があります。
男性のトレーニングで取り入れられているのは、
ほとんど見たことありません。
「いやいや、取り入れてる」といった意見もあるかもしれませんが、
私の視野が狭すぎるだけですのでご容赦くださいませ。
なぜこのような傾向が多くみられるのかについての
個人的な考察をまとめていきます。

まず前提として、
人体構造的に男女における性差として、
最も違いがあるのが骨盤です。
大腿骨の付着にも性差があり

先天性股関節脱臼症などは女性でしか起こり得ないとされています。
付着が違えばモーメントは変わり、動きも変わります。
これらの文献をご覧ください。

股関節屈曲運動における性差を調べたものです。
次はこちらの文献です。

こちらは骨盤後傾の性差を調べたものです。
基本的にどの文献でも股関節に関しては、
性差があることが示されています。
このように性差がある以上は動きが変わるのは当然のことです。
おおまかな構造的な差として、
女性は恥骨下角が広く、大腿骨の付け根が長いため
内側に向かうように大腿骨が付いています。
男性は恥骨下角が狭く、大腿骨の付け根も短いため
大腿骨が真下に向かうぐらいに思っておいてください。

亀山画伯作「骨盤、大腿骨付着の性差」

では、次に下半身の王道種目、”King of exerciseスクワット”について考えましょう。
BIG3の一角である以上は基本的には誰でもできるはずです。
ただ、やりこめばやりこむほどBIG3は難易度の高さを痛感します。
トレーニング大好きな男性トレーニーでも、
苦戦を強いられるのがスクワットという種目です。
足幅、肘の位置、視線、肋骨などの複合的な結果として
フルスクワットという種目
を行うことが出来ます。
つまり、難しいです。
では、何も知識無くしゃがむという前提で、
上画像の女性の骨格のまましゃがめばどうなるかを考えてみましょう。
膝が内側に入る感じがなんとなく想像つきますかね。
ニーインという膝の内側を痛めやすい動きです
あとこの状態ではお尻が使いにくくなっています。
男性なら若干、内股にしてみると分かりやすいかなと思います。
もし股関節屈曲・内転・内旋状態になれば、
股関節脱臼のモーメントが形成される可能性もあります。
もう一つは傾向として、腰を曲げないようにするために、
腰を反ってスクワットを行ってしまうことも挙げられるかなと思います

腰を反った状態で重さを持てば、腰が痛くなるのは当然です。
こちらの理由は女性は身体構造上、
腹圧を掛けることが男性と比較して、難しい事が主な理由です。
腰椎部は腹圧が掛からなければ、簡単に腰が曲がります。
腹圧が掛からないのに、腰椎が曲がらないようにすれば、
腰を反って腰椎で支えるしかないのです。

このようにスクワットは男性でも難しいのに、
女性は更に難易度が高くなっている
のです。
だからこそ、なんとなく行えば、
怪我をし、やりたくなくなる。
腰に負荷を掛けないHAなどに走る

このようなことが理由かなと思います。
ただ、これは女性だけではないです。
しゃがめないから。腰が痛くなるからで
エクステンションカールだけやる男性も中にはいますからね。
筋トレは趣味なので自由ですが、
筋肥大したいといいながらそれなら殴り込み事案です。

構造的な性差はあれど、種目による筋肉の育ちに男女差はないです。
男性はこの種目で筋肥大するけど、
女性はこの種目じゃ筋肥大しない。
そんなことはあり得ないです

男性間でもスクワットで外側頭が育つ人もいれば、育たない人もいる。
そのような大腿骨長によるモーメント変化での差はあるため、
その差はあります
が、それは性差ではないです
つまり、女性がヒップアップにおいて
スクワット、デッドリフトなどを避ける理由は無いのです。
なのでガンガンに重さ持っていきましょう


ヒップアップとか言って浅いスクワットやってる人、
だいたい、大腿四頭筋が育ってる。
お尻に効かせるとか言ってお尻引いてる人、
だいたい、腰痛持ち。
「えーすぐ筋肉ついて脚太くなっちゃうー」
言ってるやつだいたい脂肪、大腿だけに。

まとめ

個人的には全国的にパーソナルあるあるなんですよね。
腰、膝、怪我させたくない。
リスク管理としてはいいかもしれませんが、
非効率的で時間対効果が弱いことを、
管理して行うパーソナルジムでやり続けるのいかがなものかと
同業者としては思ってしまいますね。
回数数えるだけとか。

同業者で効果の無い物を売りつけたり、
矯正下着売ったりやってることがトレーナーじゃなくて
エステ系なのは嫌いです。
売上は合ってもプライドは無い。
あ、同業者じゃない。エステだっけ。

この記事を書いた人

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。