競技復帰までのトレーニング戦略。その2

こんにちは。ODAです。
前回の続き、組織が修復してきて成熟した時の
トレーニング戦略について綴っていきます。
専門競技にやっと復帰する。
そのために行うトレーニングについてここでは述べていきます。

専門競技に近づいたトレーニング

例えば、足関節を捻挫したサッカーのミットフィルダーの選手は、
一般的な単関節のエクササイズから、
より競技およびポジションに特異的なエクササイズへと漸進させていきます。
プログラムデザインにおけるもう1つの重要な
トレーニングプログラム変数は、動作スピードの特異性である。

リハビリテーション中に行う強化エクササイズもまた、
競技のスピードの要求に類似したものにすべきである。
すなわち、より高いスピードが求められる
身体活動(例:短い距離のダッシュ)に対しては、
より高い速度でのエクササイズが含まれるべきである。

例としては、相対的に遅く、
制御されたバランスおよび筋力のエクササイズから、
より速いプライオメトリックトレーニングおよび
スプリントエクササイズへと変化させている。
同様に、ハムストリングスに肉ばなれを有する
陸上短距離選手を例に挙げると、
初期のリコンディショニングでは受傷した筋の柔軟性や
筋力の回復に焦点が当てられます。
その後は陸上競技の特性上、
リハビリテーションやリコンディショニングの後半では、
速いスピードで行うエクササイズが必要になる。

陸上短距離選手がハムストリングスの筋ばなれからの
回復のために行うエクササイズ種目の選択としては、
ハムストリングスの柔軟性の改善から始まり、
伸張性筋力から短縮性筋力へ、さらに動的ストレッチング、
最終的にダイナミックな動きを伴うな筋力強化へと変化させていく流れが適正です。
速度に特異的なエクササイズの例としては、
徒手抵抗による強化から、プライオメトリックおよびスピードトレーニングがある。

OKCとCKC

これからはトレーニングの方法について綴っていきます。
ここではキネティックチェーンを用いての種目について綴ります。

キネティックチェーンとは、2つまたはそれ以上の
隣接する関節が共同して、または関わって働き、動作を起こすことを指す 。

このキネティックチェーンには2種類に分かれます。
まずは、クローズドキネティックチェーン・エクササイズ(CKC)。
これは末端の関節の自由な動きを妨げたり、
動きを制限する大きさの抵抗がかかる運動であり
すなわち関節遠位の面の部分が固定されている状態。
スポーツに関連する動作のほとんど
が足を床にべったりと固定した状態で行われるため、
下肢のクローズドキネティックチェーン・エクササイズは、
後々紹介されるオープンキネティックチェーン・エクササイズよりも
機能的な運動様式であるといえる。
代表的なトレーニング方法は
スクワット、デットリフト、腕立て伏せなど。

例えばクローズドキネティックチェーンのスクワット動作では
足は床に固定された状態であり、基本的に動かない。
これが動作が起こる支持基底面となる。
クローズドキネティックチェーン・エクササイズの利点として、
関節の安定性と機能的な動作パターンを高めることが挙げられる。
競技動作では、関節は通常それぞれが単独で機能するのではなくて、
隣り合う関節、周囲の筋が共同して働くというものである。

次にオープンキネティックチェーン・エクササイズ(OKC)とは、
隣り合った複数の関節が関わり、
末端の関節を自由に動かすことができる関節運動である。
したがって、オープンキネティックチェーンエクササイズのほうが、
個別の関節、筋により集中したトレーニングを行うことができる。
代表例としてレッグエクステンションでは、足部と下腿を自由に動かすことができる。
レッグエクステンションでは大腿四頭筋の活動により集中することが可能であるが、
それに対してスクワットでは、大腿四頭筋および膝関節と同時に、
股関節と足関節での筋活動も起こっている。

クローズドキネティックチェーンエクササイズのほうが
より機能的であると考えられているが、
ほとんどの運動にはオープンキネティックチェーン動作と
クローズドキネテイックチェーン動作の両方が関与している。
たとえば、スプリントでは片方の下肢が着地しているとき(クローズドキネティックチェーン)、
もう片方の下肢は離地している(オープンキネティックチェーン)。
すなわち、2つのタイプの運動が同時に起こっているのである。
したがっていくつかの状況においては、
オープンキネティックチェーンエクササイズも
同様に適切な選択肢となり得る。
修復段階に実施される神経筋コントロール改善を目的とした運動は、
成熟-リモデリング段階においても有効なエクササイズとして継続し、
さらに展開していくべきであると思います。

つれづれ。。

また、トレーニングの目的や競技特性によって
トレーニング手段の使い分けが大事になってきます。
上手く使うことでトレーニングの効果を最大に発揮できると思います。
そして負荷設定は慎重にスタッフと密に摂って
ご自身の身体に新たなる革命を起こせるきっかけになれればと思います。

リハビリの期間は自分の身体を治癒する事と
その後の選手生命を大きく変えてくれる期間です。

そして、リハビリ期間を乗り越えた先はまだまだ戦いが続きます。
戦いの中ではどんどん自分の身体を強くしていくための
トレーニングに切り替わっていくと思います。
怪我をしてリハビリ期間で選手自身も
得ることも多くあると思いますし、その経験が
生かされる場面もあるはずです。
ただ、学生の場合、期限が決まっていたりして
長くて短い期間を気にして焦ることもあるでしょう。
そういったときにも寄り添い、励ます存在になるのが
指導者の役割でもあると思います。
少しでも寄り添える。
そんな指導者を我々忘れてはなりませんね。

この記事を書いた人