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2025.05.18

戦略的減量でも機能低下は起きるのか?

こんにちはTOMOAKIです。
オンラインコーチングやパーソナルトレーニングの
クライアント様から減量していると最後の方は
低いカロリーでないと絞れなくなってきたり、
疲労感、気力の低下、体温が下がった感じ
があったりと
色々な不安な声をいただきます。

これらの機能低下は極端な減量や
カロリーを削りすぎ、運動量を上げすぎている結果なのでしょうか?
もちろん極端なことをやっていたらより強く現れると思います。
しかし、実は適切な設定でも起こり得ると論文で示唆されています。

研究内容

参考文献:
From semi-starvation to the stage: a case report on indicators of
low energy availability in a drug-free bodybuilder
during contest preparation and peak week

この研究は、ナチュラルボディビルダーが
大会に向けて18週間の減量を行う過程
と、
本番直前のピークウィークと呼ばれる調整期間において、
体の代謝やホルモン、心理状態がどのように変化するかを詳細に追った事例研究です。

特に注目されたのは、エネルギー摂取量の不足により
低エネルギー利用可能性(エネルギー不足による機能低下)の指標である、
甲状腺ホルモン(Free T3)と男性ホルモン(総テストステロン)の動きです。

25歳の男性被験者は、たんぱく質を多く、脂質を抑え、
炭水化物をしっかり確保した食事を取りながら、
1週間に約0.4%ずつ体重を減らし、
最終的には5.1kgの減量と皮下脂肪の大幅な減少
を達成しました。

甲状腺ホルモンは約37%低下しましたが、
炭水化物を多く摂った2日間のリフィードで18%ほど回復しました。

一方で、総テストステロンは減量中に約37%減り、
リフィード後もむしろさらに低下しており、
短期間の補給では性ホルモンは回復しないことが示されました。

また、安静時のエネルギー消費量も25%以上低下し、
心拍数や体温の低下、気分の変化も見られ
特に後半には疲労感や怒りの増加、
活力の低下といった心理的な変化も確認されました。

これらの結果から、減量による代謝の抑制は明確であり、
特に性ホルモンの回復には十分な期間とエネルギー摂取が必要であると考えられます。

考察・まとめ

今回の減量は18週間で5.1kgとかなり
じっくり戦略的に絞っている減量となっています。

しかし、そんなコンテストに向けた戦略的な減量であっても
エネルギー制限を続けると身体は飢餓に近い状態となり、
「疲労感」「怒り」「活力の低下」といった主観的な変化をはじめ
エネルギー不足による様々な機能低下は起こり得ます。

コンテストに向けた減量では
これらの変化はつきものと覚悟を決めて
取り組んでいく必要があるのかなと思います。

もちろん必要以上に機能低下を起こさないよう
なるべくエネルギー収支の赤字は小さく500kcal以内
抑えるようにしていきたです。

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TOMOAKI

パーソナルトレーナーでFLEXER COACHINGのメインコーチ。ブログでは主にオンラインコーチング上で得た知見のシェアや減量(ダイエット)、筋肥大に関する記事を執筆しています。

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