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2026.01.06

減量は「成功」しても、なぜ体重は戻るのか

こんにちは、TOMOAKIです。

パーソナルやコーチングでお客様のダイエット歴を聞いた時に
「過去のダイエットで体重は落ちたけど、結局また戻ってしまった」
という話を耳にすることが少なくありません。

実はこの減量後の体重再増加は、
個人の意思の弱さではなく、非常に再現性の高い現象として
研究の世界でも繰り返し報告されています。

今回は、2026年に公開された最新のシステマティックレビューをもとに、
減量方法ごとに「その後、体重はどうなるのか?」を整理してみたいと思います。

参考文献:
Recurrent Weight Gain after Weight Loss Induced by Lifestyle Intervention,
Metabolic and Bariatric Surgery, or Semaglutide in Adults with Obesity:
A Systematic Review of Randomized Controlled Trials

今回紹介する研究の概要

このレビューでは、

  • 生活習慣介入(食事・運動・行動変容)
  • セマグルチド(GLP-1受容体作動薬)
  • 代謝・肥満外科手術(いわゆるバリアトリック手術)

という、現在主流となっている減量アプローチについて、
29本のランダム化比較試験(RCT)を対象に、
「一度体重が落ちたあと、どれだけ維持できるのか」
という点を比較・検討しています。

解析にはペアワイズメタ解析および
ネットワークメタ解析(※複数介入を統合的に比較する手法)が用いられています。

研究結果

① 生活習慣介入は「体重維持」という点で最も評価が高かった

意外に感じる方もいるかもしれませんが、
長期的な体重再増加の防止という観点では、
生活習慣介入が最も高くランク付けされたと報告されています。

ただし注意点として、

  • プログラムの強度
  • フォローアップの継続性
  • 行動変容をどこまで構造化できているか

によって、結果のばらつきは大きかったとされています。
つまり「なんとなく食事改善・なんとなく運動」
ではなく、仕組みとして続く設計が重要、という示唆です。

② セマグルチドは「使っている間」は維持できるが…

GLP-1製剤であるセマグルチドについては、

  • 投与中は体重減少・維持に寄与する
  • しかし、中止後には顕著なリバウンドが起こりやすい

という結果が示されています。
というのも薬によって

  • 食欲が抑えられている
  • 摂取量が自然に下がっている

状態が解除されると、
行動・習慣が変わっていなければ元に戻る、という構造です。

「薬が悪い」という話ではなく、
薬だけで完結させる設計の限界を示していると捉えるのが妥当だと思います。

③ 外科手術は5〜10年スパンで最も大きな体重減少を維持

代謝・肥満外科手術(MBS)については、

  • 5〜10年後でも10%以上の体重減少を維持
  • 長期的な減量幅は最も大きい

という結果が示されていますが、一方で、

  • RCT(ランダム化比較試験)自体の数は限定的
  • 観察研究に比べるとエビデンス量はまだ少ない

という点も、レビュー内で指摘されています。

まとめ

この研究が示している本質は、
減量方法そのものの優劣ではなく、
「減量後をどう設計するか」が結果を左右している点にあります。

薬を使っても、手術をしても、食事と運動だけでも、
体重維持のフェーズが継続されていなければ体重は戻りやすいです。

一方で、行動が整理され、自分で食事や体重を
コントロールできる状態が作れれば、
必ずしも派手な方法でなくても体重は比較的安定します。

実際の指導現場でも、指導中は順調でも、
終了後の過ごし方によって数か月〜数年後の結果は明確に分かれます。

体重を落とす技術より、食事選択の基準、数値の把握、
乱れた際の立て直し方といった「食事管理能力」
を持っているかどうかが、
長期的な結果を大きく左右します。

今回の研究が示すのは、減量後の体重再増加は例外ではなく自然なことであり、
体重減少を達成した際の方法を長期的に維持できるかどうかが
ダイエット成功後の体型管理の鍵であることを示しています。

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TOMOAKI

パーソナルトレーナーでFLEXER COACHINGのメインコーチ。ブログでは主にオンラインコーチング上で得た知見のシェアや減量(ダイエット)、筋肥大に関する記事を執筆しています。

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