2025.06.13
ボディビルダーの突然死に関する研究

こんにちは、TOMOAKIです。
タイトルにある通り、今回はボディビルダーの突然死に関する論文を紹介します。
欧州心臓学会誌に掲載されたこちらの研究です。
参考文献:
Mortality in male bodybuilding athletes
ボディビル界では近年、プロ選手の突然死や
早期死亡が注目を集めていますが、
これを科学的に大規模に分析した初めての研究となります。
研究の概要
この研究は、2005年から2020年の間に
国際ボディビル&フィットネス連盟(IFBB)公式大会に出場した
男性ボディビルダー20,286人を対象に行われました。
追跡期間は平均8.1年に及び、
総計約19万アスリート年が調査対象となりました。
この間に確認された死亡例は121件。
死因の内訳を見ると、心臓突然死(Sudden Cardiac Death, SCD)が46件と最も多く、
全体の約38%を占めていました。
また、プロボディビルダーはアマチュアに比べて
SCDリスクが5.23倍と非常に高いことが明らかになっています。
心肥大と突然死の関係
SCDの原因として注目されたのが心肥大と心室肥厚です。
研究で入手できた5例の解剖報告すべてで、
心肥大および心室肥厚が確認されました。
このような極端な心構造の変化は、
健康なアスリートでは通常は見られないものです。
では、これがアナボリックステロイド(AAS)などの
薬剤使用によるものかと言えば、現時点では断定はできません。
5例中3例ではAASの使用が確認されていますが、
全体の症例数が限られているため、
薬剤が主要因であるかどうかは不明とされています。
一方で、既存の文献ではAAS使用が
心肥大や心筋線維化と関連している可能性が指摘されています。
現役選手におけるリスク
特に注目すべきは、直近1年以内に
公式大会へ出場していた現役選手のリスクです。
この層では、SCDの発生率は年間あたり10万人中32.83件と高く、
競技準備中や大会後の短期間での突然死も確認されています。
極端な減量、脱水、精神的・身体的ストレスが
リスクを増大させている可能性が示唆されています。
その他の死因と精神的健康の問題
死因としては腎不全や交通事故、自殺なども報告されました。
高タンパク摂取や利尿剤の使用、過度な水分制限が腎臓に負担をかけ、
腎疾患リスクを高めていることが考えられます。
さらに、ボディディスモルフィア(身体醜形障害)など
精神的な健康問題も背景に存在し、
自殺や事故に関与している可能性が示されています。
競技レベルで極端な身体改造を目指すことが、
精神面にも深刻な影響を与えていることは見過ごせないです。
まとめ
ボディビル競技においてはコンテストに向けた極端な食事や
最終調整、精神的な問題、ドーピングなどが要因で
様々な健康リスクがあるようです。
特にプロ選手でリスクが高いとのことで
断定はできませんがドーピングの危険性を感じます。
個人的には健康あってこその体づくりだと思います。
命を落とすようなことのないよう
極端なことはやらないことが
競技を長く続けていく上で大切だと考えます。