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2025.12.11

トレーニングボリュームを減らすと筋量は落ちる?

こんにちはTOMOAKIです。
今日はトレーニングボリュームについてです。
筋肥大や筋力向上を考える上でトレーニングボリュームは、
非常に重要なトレーニング変数の一つです。

一般的にある程度セット数が多い方が筋肉は育つと言われていますが、
一方で減量期や疲労管理の局面ではトレーニング量を
減らす必要
が出てくる場面もあるかと思います。

そこで今回はトレーニングボリュームを落とした際の筋量への影響について、
研究をみながら考えていきたいと思います。

トレーニングボリュームと筋肥大の関係

トレーニングボリュームと筋肉の成長は長らく関連性が指摘されてきました。

2017年に Schoenfeldらによって実施されたシステマティックレビューおよびメタ分析では、
週あたりのレジスタンストレーニング量と筋肉量の増加には用量反応関係があると報告されています。

参考文献:
Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis

また2019年のこちら研究では、
低ボリューム・中ボリューム・高ボリュームの
レジスタンストレーニングプロトコルを比較した結果、
トレーニング量が多いグループほど筋肥大の増加が大きい
ことが確認されました。

参考文献:
Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men

いずれもトレーニングのセット数(ボリューム)が増えるほど
筋肥大の効果が大きくなる傾向が確認されています。

ボリュームを減らしたら筋量はどうなる?

では、実際にトレーニング量を大幅に減らした場合、
筋量は必ず減ってしまうのでしょうか。

2021年の Spiering のレビューでは、
トレーニング量を大きく減らした状況でも
筋サイズや筋力が比較的維持される可能性が示唆されています。

参考文献:
Maintaining Physical Performance: The Minimal Dose of Exercise Needed to Preserve Endurance and Strength Over Time

内容としては、若年の一般集団であれば強度(使用重量)さえ維持できれば、
週1回・各エクササイズ1セット程度というかなり少ないボリュームでも、
最大で約32週間(約8ヶ月)にわたって筋サイズと
筋力を大部分維持できる可能性がある
と報告されています。

この見解は、トレーニング量そのものよりも、むしろ強度
が筋量維持には大きな役割を果たすという観点から語られており
セット数が減っても、使用重量や限界に近い努力(高強度)を維持することで、
筋肉への刺激を保つことの可能性を示しています。

一方、高齢者集団では、筋肉サイズを維持するには、
運動強度を維持しながら、週 2 回までセッションと
エクササイズ 2~3 セットが必要となる場合があると記述がありますので
全員に当てはまるわけではなさそうです。

またこちらの過去のブログで紹介したトレーニング経験者が
エネルギー制限中にトレーニングボリュームを落とした場合は除脂肪体重の維持に
悪影響を及ぼす可能性を示唆しています。

使用重量を保つことができればトレーニングボリュームを落としても
筋量は維持できる可能性がある一方で
各部位10セット未満などのかなり少ないセット数となる減量中の除脂肪体重の維持は
効率が悪くなることも考えられます。

研究によって結果はまちまちなので難しいところです。
過去の経験など踏まえると
例えばオフシーズンに40セットなどやってる方が減量期に疲労に応じて
30セットにしても重量を保つことができれば筋量の維持はある程度できて
オフシーズンに12セットやってる方が減量期に8セットとかに減らしてしまうと
重量の維持や筋量の維持が難しいのかなと思います。

まとめ

人によってオフシーズンに実施しているトレーニングボリュームはまちまちであるため
必ずしもトレーニングボリュームを落としたら
筋量が落ちやすいとは言えないのかなと思います。

各部位40セット、50セット、トレーニング3~4時間などかなりボリュームが多い方は
疲労を加味して少し減らしても問題ないのではと思います。

逆に各部位10セットほどであればなるべくこれ以上は削らない方が良いのかなと思います。

最後に減量期においてはトレーニングボリュームだけではなく
エネルギー収支の赤字が大きすぎても回復が追いつかず
強度やボリュームを保つのが困難になると思いますので
減量ペースも無理ない設定が筋量維持に貢献してくれると考えます。

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TOMOAKI

パーソナルトレーナーでFLEXER COACHINGのメインコーチ。ブログでは主にオンラインコーチング上で得た知見のシェアや減量(ダイエット)、筋肥大に関する記事を執筆しています。

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