コルセット

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、コルセットなどの腰痛固定装具について
論文を引用して記事にしていきます。

論文引用

今回はいくつかの論文を引用するため、
それぞれでまとめていきます。

こちらの研究は腰仙部装具”コルセット”(LSO)が体幹の筋力低下や委縮に繋がるかどうかを調べたものです。
結果として基本的にはEMG(筋電図活動)の低下、もしくは変化なしとなった。
一部研究では、筋活動の増加を示したものもや、
腹筋、多裂筋の厚さの減少を示したものもあった。
まとめとして、コルセットの使用と筋力の低下は関連性に一貫性がないことが示された。
コルセットが体幹の筋力低下を招く、科学的根拠がないという結果になりました。

こちらの研究はLSO連続使用による体幹の運動性能が損なわれるかどうかを調べたものです。
結果としてはLSOを1~6ヵ月継続使用しても悪影響がないことが示された。
しかし、エビデンスの質が低いものもあり、明確な結論は出せないとまとめられている。

こちらの研究はLSOを使用し、4週間使用した後に、
超音波画像を用いて測定した、体幹深部筋の厚さを調べたものです。
結果は、平均7.21時間/日を4週間使用しても
内斜角筋、腹横筋、腰多裂筋の厚さは変化が無かったそうです。

1つ目はシステマティックレビュー、
2つ目はメタアナリシスで、
共に2017年に発表されたものです。
最後のは2019年に発表されたもので、
あくまで1研究のものです。

考察

こられの論文のまとめとしましては、
コルセットが体幹の筋力低下を招く、
直接的原因である科学的根拠はない
となっています。
例えば、3つ目の論文で言うならば、
3つの筋肉については厚さを調べましたが、
他の筋肉はどうなのか分かりません

つまり、他が衰えていたとしても、
この論文ではLSOを使用しても、
筋厚は低下しないという結果は、
示されてしまうわけです。

コルセットを取った後に、
違和感などを感じるのは、
筋力的部分ではないということです。
皮膚圧迫による感覚的要素か、
圧迫解除による血流量の変化、
腰部固定による重心の変化なのか。
そこまでは分かりませんが、
現状は筋力低下の直接的要因ではないとのことです。

結局のところコルセットが悪いのではなく、
”不動”がダメなのではと思います

筋肉自体は動かさなければ衰えていくものです。
コルセットを付けようが、
動かしていれば筋力の低下などは起こらないです。
コルセットを使用する人は、
大多数が腰痛持ちで、
腰痛緩和目的で使用すると思います。
痛みがある=動かさない
原因が何か分からない場合、
選択肢として不動が選ばれがちです。
不動であれば、筋肉を使われず、
使われない筋肉は衰えていく。
ただ、それだけじゃないのかなと思います。

まとめ

今回の論文はあくまで医療用コルセットを指しています。
腰仙部装具とはウェストシェイパーではないです
医療用には鉄の棒が入っていたりと、
しっかりと腰仙部を固定が出来るものになっています。
こういった論文を曲解し、
コルセットは筋力低下しない=ウェストシェイパーも筋力低下しない。
そうはならないようにしてください。

この記事を書いた人

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。