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2026.01.23

筋肥大しやすい人の筋肉内代謝の違いに関する研究

こんにちはTOMOAKIです。
これまで多くのクライアント様や
大会選手等を見てきて
筋トレの効果にはかなり個人差があることを実感します。

意志の強さや努力の差だけでは説明できないこの個人差について、
非常に興味深い研究が2026年に報告されました。

今回は、高齢者を対象に「筋肥大しやすい人とそうでない人の筋肉内代謝の違い」
を調べた論文を解説したいと思います。

参考文献:
Skeletal muscle metabolomic markers underlying the enhanced exercise-induced hypertrophy response to resistance training in older adults

研究の概要

対象は平均68歳の男女50名
10週間のレッグエクステンションを週3回行い、
全員にホエイプロテインを1日40g摂取させました。

トレーニング前後で太ももの筋断面積をMRIで測定し、
筋肥大が大きかった群(約10%増)と
小さかった群(約3%増)に分け

筋生検で筋肉内の代謝物を詳しく解析しています。

重要なのは、開始時点では両群に体格や筋量、
代謝の差がほとんどなかった点です。

つまり「元々の体質」ではなく、
「トレーニングに対する体内の適応の仕方」が結果を分けていました。

筋肥大しやすい人の3つの特徴

① トリプトファン代謝と腸内由来代謝物が活発

筋肥大が大きかった人では、
トリプトファンやキヌレニン、
腸内細菌由来のインドール系代謝物が増加していました。

これらは抗炎症作用やミトコンドリア機能の改善に関与すると考えられており、
「腸−筋連関」が筋肥大効率に影響している可能性が示唆されました。

② BCAAをうまくエネルギー回路に流せている

ロイシン・バリン・イソロイシンといったBCAAは増えていましたが、
分解途中の老廃物はほとんど検出されませんでした。

さらにTCA回路の中間体やATP関連物質が増加しており、
アミノ酸を効率よくエネルギーと同化に使えている状態と考えられます。

③ ミトコンドリアのエネルギー効率が高い

カルノシンやアシルカルニチンなど、
エネルギー産生やpH調整に関わる代謝物も増加していました。

筋肥大しやすい人ほど、筋トレ刺激をエネルギー産生と
タンパク合成につなげる「回転の良さ」
を持っている可能性があります。

Discussionより

著者らが強調しているのは、
「筋肥大の個人差は体質ではなく、代謝適応の差で説明できる可能性が高い」という点です。

特に注目されているのが、トリプトファン代謝と腸内細菌由来代謝物の関与です。
これまで筋肥大はトレーニング量やホルモン、遺伝の話が中心でしたが、
「腸内環境と筋代謝」が新しい調整因子として浮かび上がってきました。

また、BCAAについても「摂取量」より「きちんと回路に流せるか」が
重要であることを示唆しています。

加齢でBCAA分解が低下すると筋萎縮が進む可能性があり、
トレーニングによってその代謝が改善できる点は非常に示唆的です。

この研究から言えるのは、「同じ筋トレでも、体内環境で結果が変わる」ということです。

・十分なトレーニング刺激量を確保すること
・タンパク質だけでなく腸内環境を整えること
・有酸素能力やミトコンドリア機能を維持すること

こうした要素が、特に中高年以降の筋肥大効率を左右する可能性があります。

まとめ

同じトレーニングでも伸びる人と伸びない人がいる理由は、
「意志」や「才能」ではなく、筋肉内の代謝の適応の違いかもしれません。

筋肥大は、単なる筋トレの結果ではなく、
全身の代謝システムの総合力で決まる可能性があります。

なるべく筋トレの効果を高めるたい場合は
日頃から整った食事をして
睡眠時間をしっかり確保して
腸内環境が乱れないよう心がけたり
有酸素運動も適度に実施することなども
重要かもしれません。

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TOMOAKI

パーソナルトレーナーでFLEXER COACHINGのメインコーチ。ブログでは主にオンラインコーチング上で得た知見のシェアや減量(ダイエット)、筋肥大に関する記事を執筆しています。

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