2026.03.06
ダイエットと空腹感に関する研究

こんにちは、TOMOAKIです。
ダイエットや減量をしていると、
多くの人がぶつかるのが「空腹感」です。
体重が落ちてくると食欲が強くなったり、
食べたい気持ちが増えてくることがあります。
このときよく聞くのが
「自分の意志が弱いのではないか」
もしくは空腹感をあまり感じない人は
「減量の設定が甘いのではない」
という悩みです。
しかし実際には、減量中の空腹感には
生理学的な理由があることが多く、
研究でもそのメカニズムが報告されています。
今回は、減量と空腹感の関係について、
実際の研究を2つ紹介しながら考えてみたいと思います。
【研究1】減量後の食欲ホルモンの変化(メタ解析)
減量後の食欲ホルモンの変化をまとめたメタ解析では、
カロリー制限や運動によって体重が減少した場合、
空腹ホルモンであるグレリンの増加が確認されました。
さらに、満腹感に関わるホルモンである
PYYやGLP-1は減少する傾向が報告されています。
つまり減量後の体では、
・空腹を感じやすくなる
・満腹感が弱くなる
といった変化が起こり、体重を元に戻そうとする生理的な反応が
働く可能性が示唆されています。
またこの研究では、体重減少量が大きいほど
グレリンの増加も大きいという関連も確認されています。
実際の指導経験や自分自身の減量を振り返っても、
減量後は「食欲が強くなってきた」と感じる人は多いように感じます。
これは意志が弱いというよりも、
体がエネルギー不足に適応している自然な生理反応と考える方が妥当なように思います。
【研究2】2年間カロリー制限
こちらの試験は、2年間にわたりカロリー制限を行った際の
体重や食欲の変化を調べた研究です。
被験者は25%のカロリー制限を目標としましたが、
実際には平均8〜10%程度のエネルギー制限となり、
体重は約60週まで減少した後に安定する傾向が見られました。
研究では空腹感は時間とともにわずかに増加したものの、
その変化は非常に小さく、視覚的アナログスケールで約3mm程度の増加にとどまりました。
一般的に10mm以上の変化が臨床的に意味を持つとされるため、
この研究では実質的には食欲の大きな増加は見られなかったと考えられています。
さらに満腹感や食事満足度などの指標には
大きな変化が見られなかったことも報告されています。
また、論文では食欲の大きな増加が見られなかった理由の一つとして、
高タンパク・高食物繊維の食事などの食事戦略が
食欲の上昇を抑えた可能性も指摘されています。
実際の減量指導でも、摂取カロリーを落としたすぐは空腹感が強く出る人がいますが、
食事内容や生活リズムが整ってくると、
体がその状態に適応して食欲が落ち着いてくるケースもよく見られます。
また今回のようにエネルギー制限の量が緩やかであれば
空腹感はそこまで強く出ない可能性も考えられそうです。
まとめ
今回紹介した研究から分かることは、
減量中の空腹感は単純に「増える」「増えない」と
言い切れるものではないということです。
生理学的には、体重が減ると
・空腹ホルモン(グレリン)が増える
・満腹ホルモン(PYY・GLP-1)が減る
といった変化が起こり、体は体重を元に戻そうとします。
一方で、実際の主観的な空腹感は、食事内容、食事回数、
生活習慣、エネルギー制限の強さなどによって大きく変わります。
そのため減量において重要なのは、
空腹を完全になくすことではなく、
コントロール可能な範囲の空腹と付き合いながら
減量を進めることだと思います。
また空腹感がなくて減量している感じがない!という方で
体重が順調に落ちているのであれば
それはそれで緩やかなエネルギー制限で
うまく減量できていると考えても良さそうです。
適切なカロリー設定と食事設計・工夫を行えば、
減量中でも空腹感を大きく悪化させずに
体重を落としていくことは十分可能だと考えます。
最後にクライアント様をみていて
中にはものすごく空腹感が強いタイプの人もいれば
減量末期でも平気そうにされている空腹感が弱いタイプの人もいます。
空腹感は個人差も大きいように思います。




