2025.06.07
脂肪はどうやって体外に排出される?

こんにちはTOMOAKIです。
ダイエットではよく、脂肪を燃やす、
脂肪を落とす、脂肪分解などの表現を耳にすると思います。
汗をたくさんかけば落ちそうと考えている方もこれまでおられました。
また脂肪が筋肉に変わると信じている人も稀にいます。
一旦太ってから筋トレすると効率的というのはデマです。
それはさておき、
実際にはは脂肪どのようにして体外に排出されるのでしょうか?
そんな素朴な疑問に答えた論文が2014年に
BMJ(British Medical Journal)に掲載されていますので
今日は脂肪が体外に排出されるメカニズムをこちらを参考に紹介していきます。
参考文献:
When somebody loses weight, where does the fat go?
脂肪の排出経路
研究者は1分子のトリグリセリド(脂肪)が
二酸化炭素(CO₂)と水(H₂O)に代謝されることを計算し、
減量時の脂肪排出経路を定量化しました。
その結果、
失われた脂肪の約84%はCO₂として呼気から排出され、
残り約16%は水分として尿や汗、涙などを通じて排出
されていることが示されました。
つまり、脂肪が減る=主に「息として出ていく」ということになります。
たとえば10kgの脂肪を減らすと、
そのうち約8.4kg分の炭素は呼気として排出され、
約1.6kgが水分として体外に出ていきます。
脂肪は燃えて消えるのではなく、
分解されて呼吸や水分として出ていくということです。
呼吸量はどれくらい?
では息としてメインで出ていくとのことですが
どれくらいの呼吸量が1日でおこわなれているのか見ていきます。
論文によると、70kgの成人が安静時から軽い活動を行った場合に、
1日を通じて、睡眠、安静、軽い活動という
3つの状態をそれぞれ約8時間ずつ行った場合、
総計で約0.74kgのCO₂が呼気から排出されるそうです。
この中にはおよそ203gの炭素が含まれています。
さらに、運動によって代謝が高まれば、
排出されるCO₂と炭素の量は増加します。
たとえば1時間のジョギングを行った場合、
追加で約39gの炭素が排出され、
この日の総炭素排出量は約20%増加します。
運動の努力も少々の過食で相殺される
しかし著者らは、こうした運動による脂肪燃焼の努力も、
少量の過食によって簡単に帳消しになりうる点を強調しています。
たとえばマフィン1個分のカロリーで、
このような追加の炭素排出量が容易に相殺されてしまうため、
減量の基本はやはり摂取エネルギーの管理にあるとしています。
まとめ
エネルギー収支を適切に赤字にして生活していると、
体脂肪は分解され、そのおよそ84%が呼気中の二酸化炭素として、
約16%が水分として体外へ排出されていきます。
こう聞くと少し不思議な感じがしますが、
脂肪も質量保存の法則に従って、
きちんと物質として身体の外に出ているわけです。
「汗をかけば脂肪が直接落ちる」わけでもなく、
「脂肪が筋肉に変わる」こともありません。
呼吸を通じて主に息として脂肪は減っていく
この事実を知っておくと、正しい減量の理解に繋がります。