デッドリフト中のグリップについて

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、デッドリフト運動中の前腕筋電図活動についての
論文を引用していこうと思います。

論文

本研究では、重量挙げ経験のある男女の競技スポーツ選手を対象に、
3つの異なるグリップスタイル(ダブルオーバーハンドグリップ”DOH”、
フックグリップ”HG”、ミックスグリップ”MG”)を用いてDL運動を行い、
上腕筋(BS)、上腕二頭筋(BR)、屈筋(FCU)の
前腕筋活性化を検討することを第一目的とする。
第二の目的は、前述のグリップスタイルがDL運動中のバーベルのピーク速度(PV)の
変化と関連するかどうかを確立し、各グリップの技術的難易度の
知覚レベルを決定することでした。

対象者は、経験豊富な男女29名のアスリート
(男性、n=15、年齢:22.2±2.7歳、身長:180.9±6.7cm、
体重:81.0±11.6kg、女性、n=14、年齢:24.8±7.0年、
身長:163.4±6.9cm、体重:64.9±6. 4kg)を募集し、
3種類のグリップ(MG、HG、DOH)と
3種類の強度(1RMの50%、70%、90%)で
DL運動中の前腕筋の活性化を定量化し比較する
横断的な被験者間デザイン研究に参加させました。

主な結果は以下の通りである。
①負荷やグリップにかかわらず、女性は男性に比べ、
中程度のESでBS筋の大きな活性化を示した。

②女性に比べ、男性は全体的にBR筋の大きな活性化を示したが、
これは90% 1RM負荷で中程度のESでのみ有意だった。
同じ負荷で、MGはHGおよびDOHグリップよりも
低い筋活性を示し、中程度のESを示した。

③負荷や性別に関係なく、MGはHGおよびDOHグリップと比較して、
FCU筋の活性化を中程度のESで最も低くした。

④男性は女性よりも50%および70%の負荷で大きなPVを達成し、
大きなCohen’s d effect size(ES)を示したが、
90%の負荷ではそうではなかった。
グリップの向きはPVに大きな影響を与えなかった。

最もEMGの活性化が見られたのはFCU筋であった。
FCUは、以前、握力能力の重要な要因であることが示されています。
したがって、この筋の活性化を抑えることは,リフトの技術的な難易度を
下げることにつながるので、注目されるであろう。

MGを使用することは、FCUの活性化が最も少ないことと関連している。
これは、FCUのEMG活性化が前腕のプロネーション時に
スーピネーション時よりも高いことを強調した研究結果と一致する。
手の位置を変えることで得られる相反する力がバーベルにトルクを与え、
バーベルの転がりを防ぎ、最終的にはバーベルを握る際に
前腕の筋組織にかかる要求を軽減し、より確実なグリップを提供する。

結論として、バーベルのスピードを最大化することが最終目標であるならば、
グリップの向きはPVに大きな影響を与えないようである。
最大負荷を上げることを目的とする場合、
MGの使用は有益であると思われる。
筋の活性化の程度を最大化し、全体的な握力を向上させたい選手は、
前腕筋がこれらの手の位置で最も活性化されるため、
DOHグリップまたはHGを使用することが望ましい。

まとめ

DOHは握力的に難しいので、
結局HGかMGにはなるんですけどね。
ただ、フックグリップは痛いです。
その点MG・オルタネイトは楽なので
誰でも素手でやる際には手っ取り早さはありますね。
ただ、MGは注意してください。
リバースグリップ・スピネート側の
上腕二頭筋断裂が起こる可能性があるということも。
まぁやり方の問題なんですけどね。

パワー系の大会に出るとかでもなく、
ただ、ボディメイクやるなら
リストストラップとか使うのがおすすめです。
フックグリップは技術としてあるといいですが、
そこまで求めず臀筋の発達とかなら
迷わず使うべきだと個人的には思いますね。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。