2025.05.14
オーバーヘッドプレスにおけるよくある間違い5選

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回はオーバーヘッドプレスにおける「よくある間違い5選」を紹介していきます。
腰を反りすぎる
挙上動作中に腰椎が過剰に伸展してしまうエラーはよくありますね。
その多くは、スタート姿勢のエラーから生じます。
たとえば、胸椎の伸展不足や重心が踵寄りなどがあると、バーが上方へ移動するに従って
腰椎が代償的に介入し、反り返る形になります。

結果として、バーの重さを腹圧など体幹部全体で支えるのではなく、腰で支えるような動作となり、
本来意図されたトレーニング効果は損なわれます。
この現象を建築物に例えるなら、土台が傾いた状態で高層ビルを建てているようなものです。
いくら上部構造を強化しても、基礎が脆ければ全体は容易に崩壊します。
見た目には「高く積み上がっている」ようでも、構造としては極めて危うい状態なのです。
視線を上げすぎる
バーの動きを追いたいあまり、視線を過度に上げてしまうこともよく見られます。
こうした状態での動作は、ダンベルショルダープレスでも起こりがちな
反り過ぎる事で大胸筋へ負荷を逃がす形となります。
また、腰への負荷も増え痛める可能性もあります。

つまり、視線の位置ひとつで全体の姿勢が崩れ、フォーム全体が不安定になります。
肩が上がらない範囲で視線を上げるであれば許容範囲です。
腹筋の柔軟性不足
動作終盤で腕を頭上へ押し上げていく際、腹筋群の可動域が不足していると、体幹部がその代償として動き始めます。
特に腹斜筋の柔軟性が不足している場合、腰椎の伸展が初期段階から現れやすくなり、最終的には過伸展に陥ります。
動作的には最終局面で腰椎伸展は伴いますが、早い段階から起こるのはNGになります。
肩のトレーニング全般に言える事ですが
トレーニング技術を上げるためには柔軟性が必須になります。
サボらずストレッチやアクティベートなどのコンディショニングに力を入れましょう。
可動域が短い
バーが頭上に達しない、あるいは挙上・降下の幅が極端に狭い動作は、
厳密には「ショルダープレス」であり、「オーバーヘッドプレス」とは呼べないでしょう。
ショルダープレスって言っておけば問題無いです。
この種目の主たる目的は、肩関節を広い可動域で安定的に動かすことにあります。
扱う重量に意識が偏るあまり、可動域が犠牲になっているケースでは、
フォーム上の課題が潜在的に存在している可能性が高いと言えます。
動作範囲が狭い状態での繰り返しは、筋力的な刺激にはなるものの、
構造的な適応や機能向上には繋がりにくくなります。
ベンチプレスでは胸に付けろというのにオーバーヘッドプレスでは言われないですよね。
差別ですよ。オーバーヘッドプレス君が可哀想じゃないですか。
浅いスクワットはNGというのにオーバーヘッドプレスが可動域短かったら
本当に面白いですね。客観性が欠けていて滑稽以外の何物でもないですよ。
脇が開いている
スタート姿勢において肘が外側に張り出し、脇が開いた状態で構えてしまうと、
肩関節に不自然な負担がかかります。
スタート時の姿勢が適正でないと動作の早期のタイミングで
腰を反る、脇が開いてあげる、斜め前側にバーが流れてしまうなどのエラーに繋がります。
最初のポジション設定が動作全体の質を大きく左右することは、他の多くの種目と同様、この種目にも当てはまります。
スタートが良ければたしょうのエラーは許容範囲になりますが、
スタートが悪ければたしょのエラーでも許容範囲外となり、怪我などにも繋がるかもしれません。
筋トレ種目はバーベルを持つ前から始まっていると思ってください。
まとめ
オーバーヘッドプレスは、その見た目以上に技術と構造理解を要求される種目です。
フォームエラーが、肩・腰といった部位への怪我のリスクへと直結するため、
フォームを作り上げる事と身体の感覚への注意が不可欠です。
トレーニングとは自己観察の積み重ねであり、筋肉だけでなく
認知と感覚もまた鍛え上げるべき対象であるということです。
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