2025.11.12
睡眠の規則性は睡眠時間よりも死亡リスクのより強い予測因子で

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は睡眠の規則性は睡眠時間よりも死亡リスクのより強い予測因子という論文を引用していこうと思います。
論文
この研究では睡眠の規則性と時間が全死因死亡率と死因別死亡率のリスクを
どのように予測するかを比較することを目的とした。
英国バイオバンクの参加者 60,977 人 (62.8 ± 7.8 歳、女性 55.0%) の
1000万時間を超える加速度計データから睡眠規則性指数 (SRI) スコアを計算した。
1859名の参加者において、加速度計による記録から最大7.8年後まで死亡率が報告された。
結果として、睡眠の規則性が高いことが全死亡リスク低下の有意な予測因子であることがわかりました。
上位四分位の参加者は、下位分位の参加者と比較して、全死亡リスクが20~48%低下しました。
特に、睡眠の規則性は睡眠時間よりも全死亡リスクのより強力な予測因子でした。
この点は、同等のSRIのみのモデルと睡眠時間のみのモデルの比較、
およびSRIと睡眠時間のネストモデルの比較によって評価しました。
これらの結果は、年齢、性別、民族、身体活動、喫煙状況、交代勤務状況、
社会人口学的要因およびライフスタイル要因、さらに睡眠中のタイミング、
既存の癌、糖尿病、血管イベント、高 BMI、高コレステロール比、ベースラインの
精神的健康に関する調整に対して堅牢でした。
本研究では、心代謝性原因による死亡リスクの上昇は、
不規則な睡眠と短い睡眠時間の両方に起因することが示された。
これらの知見は、睡眠の規則性と持続時間が心代謝的健康と
関連することを示す実験的・疫学的証拠と一致している。
不規則な睡眠はがんによる死亡リスクの上昇を予測したが、睡眠時間の短さは予測しなかった。
全死因死亡と同様に、この関連性は最終的には概日リズムの乱れによって引き起こされている可能性がある。
概日リズムの乱れと癌の関連性を示す複数の証拠がある。
(1) 癌の発生・進行における遺伝子発現と代謝リズムの関与を示唆する研究
(2) 不規則な睡眠・覚醒リズムと概日リズムの乱れが腫瘍の進行・転移および癌誘発性炎症を促進することを示す動物実験
(3) 夜間光曝露が乳癌、甲状腺癌、膵臓癌の新規発症リスク上昇に関与し、交代勤務曝露が乳癌、前立腺、肺癌、皮膚癌に関与することを示唆する疫学的証拠。
対照的に、疫学的証拠は睡眠時間ががん死亡リスクの上昇と関連するのは、
長時間睡眠者(9時間超)の小さなサブグループのみであり、短時間睡眠者では関連しないことを示している。
結論として、この研究では知見は、睡眠時間が人間の健康にとって
最も重要な睡眠指標であるという長年の仮定に異議を唱えるものである。
睡眠と健康に関する研究の大半は、主要な予測因子として睡眠時間に焦点を当ててきた。
その結果、公衆衛生の枠組みは必然的に睡眠時間を主要な対象として重視する傾向にあった。
この研究における結果は、睡眠時間が死亡率予測において重要な役割を果たすことを確認しつつも、
睡眠の規則性がさらに強力な予測因子であることを明らかにした。
幸いなことに、睡眠の規則性は介入による改善がより容易な側面である可能性がある。
心理社会的要因と生物学的要因の両方により、睡眠時間の延長は実践的に達成が難しい。
参加者の就寝時間を直接設定しない睡眠延長介入は、睡眠時間にわずかな効果しか示さない。
睡眠時間を増やすことに注力するよりも、睡眠の規則性を高めるために日ごとの
就寝時間をより均一に保つよう促す方が、最終的にはより実現可能な戦略となる可能性がある。
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まとめ
まともな人は寝なきゃいけないことぐらいは分かってはいます。
ただ、そこに避ける時間も努力的に睡眠時間を確保しようとする意識も人によって違います。
目先の仕事やスマホを家事を優先するのも自由ですし、
それによって死亡リスクが上がるというのもまた自由です。
なので自分にとっての良い塩梅を見つけれると良いですね。
後悔先に立たずと言いますが有意義な時間で睡眠が削られるならまだしも
くだらん動画を消費するだけに時間を割いて睡眠が削られるのはあまり賢い選択ではないですね。
有意義な無駄な時間は大事ですが。
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