2025.08.14
時間栄養学 食事時間と糖代謝

KONDOです。
FLEXER COACHINGと称して
オンラインにて食事管理指導や
トレーニングフォーム指導をしていますが
今期の競技者の方たちの戦績が
著しく良く、非常に素晴らしい報告が多いです。
競技者の方たちだけでなく
当ジムの会員様で非トレーニーの方へも
ダイエット目的や現在の食習慣を把握・評価
するためにご利用いただくことも多いですが
「食べる時間が遅いと太るの?」
という議題は何年経っても上がります。
そこで今回は時間栄養学的な観点から
食べる時間によって太るのか?を記します。
時間栄養学
時間栄養学(=Chrono-nutrition)は
同じ栄養素でも摂る時間によって
身体への影響が変わるとする考えに基づいた
学問です。
サーカディアンリズム(=体内時計/既日リズム)で
体内におけるホルモンの分泌や代謝等の
効率の1日における変化に併せた
食事のタイミングと構成を最適化し
健康に役立てたいとするものです。
過去記事において
時間栄養学に触れたことがあります。
この記事中では、
”この研究では
朝:昼:夜=45%:35%:20%
朝:昼:夜=20%:35%:45%
というエネルギー比率で肥満(過体重)者を対象に行った
無作為クロスオーバー試験です。
尚、エネルギー消費量や安静時代謝量に差はありません。
結果として体重減少に差はありませんでした。
「夜食べると太るんでしょ??」
これパーソナルトレーナーになってから
幾度となく聞いてきましたけども
何度も言いますが結論エネルギー収支です。
ただし
朝食を多く摂った群は
空腹感や食欲が主観的に低下
したとしています。
つまりは
朝食をしっかり摂る→空腹感や食欲が低下する
→エネルギー収支が抑制される
という構図が成り立ち太りにくいというのが
解釈としては正しそうです。”
といった内容を記しました。
参考文献:Timing of daily calorie loading affects appetite and hunger responses without changes in energy metabolism in healthy subjects with obesity
食事管理指導をしていると夜勤有りの人や
仕事柄夜遅くに食べる習慣のある人、
朝は時間的なものや習慣的なもので
食べれられないor食べたくないみたいな人が
一定数いますので
必然的に朝<昼<夜といった様な
食事量の比率になっている人が多く居ます。
が、問題なくダイエットはでき
特にその方たちがより太っている
という印象はあまりありません。
糖代謝の変化
一般的にインスリン感受性は
朝昼の方が高く夜は低いと言われています。
そのため、夜の糖質摂取量を控えめにして
朝昼に分配するという手法は一般的です。
私のクライアントでも糖尿病や糖尿病予備軍、
の方たちへの指導はそれに沿っています。
インスリン感受性の高い時に糖質を摂取して
運動を程よく行う・・・というアプローチは
正攻法かと思います。
ただ、健常者に対してはあまり糖質摂取における
時間的な配分は特に指定してはおりません。
無論血糖値に対するアプローチも皆無です。
GI値の低い食材をベースに食事内容を
構成しなくても特に変化はありません。
寧ろ食物繊維摂取量の増加によって
逆に不調をきたしたり無駄に浮腫むなど
エラーが出るパターンもあるので
実際には食物繊維の扱いはなかなかシビアで難しいです。
そしてインスリン感受性のサーカディアンリズムにおける
変化において92人の双子の成人を対象にした研究で
個人の体内時計に対して遅い時間帯に食事をすることは、
インスリン感受性の低下と関連しており、
これは2型糖尿病や肥満のリスクを高める可能性がある
というような研究論文もあります。
参考文献:Later eating timing in relation to an individual internal clock is associated with lower insulin sensitivity and affected by genetic factors
最近では見かけることも少なくなりましたが
やたらと整体業界が血糖値や自律神経を
ダイエットと結びつけてへんてこりんな
ダイエット小銭稼ぎビジネスを展開していたり
しておりました。
血糖値の上昇によってインスリンが過剰に分泌され〜
脂肪合成が〜と声を大にして高らかに
謳っておりましたがエネルギー収支が等しければ
特にGI値なるものは関係なさそうですので気にせずに。
つまるところインスリン感受性が
朝昼より夜の方が落ちることは事実かもしれませんが
それによって太る痩せるに大きな影響が出ている
といったことが示唆はされてはいないので
健常者の場合はそこまで気にする必要はないのでは?
特に日頃から筋トレや有酸素運動に励む人は。
まとめ
これはあくまで私たちのような
パーソナルジムで運動を提供しているような
環境に来る人たちでの話で
全く運動しておらずエネルギー摂取量も
マクロの内訳もくちゃくちゃな人の場合は
効果の有無は不明ですがセオリーに沿って
朝昼夜の分配を取り入れても良いかもしれませんね。
ただ、夜に糖質の摂取量が低い場合は
夜間の睡眠時における中途覚醒や
入眠困難などの報告がクライアントから
あったことがちらほらあるので注意ですが。
ので、エネルギー摂取量が等しければ
可能なら上手く分配した方が
ダイエットはスムーズな気がします。
個人的な意見では。