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2025.11.28

大豆たんぱく質の現状

こんにちはTOMOAKIです。
今回は大豆タンパク質についての現状についてです。
大豆タンパク質については過去にブログでも何度か取り上げられています。

大豆は世界的に議論の多い食品であり、
Web上の断片的・矛盾した情報により、
専門家でさえ判断が難しくなっている現状があるとのことです。

今回紹介するこちらの論文は、
大豆食品・大豆タンパク質・イソフラボンに関する
30年以上の研究を整理し、健康専門家向けに正確な基準情報を提供するレビューです。

参考文献:
The health effects of soy: A reference guide for health professionals

大豆タンパク質の特徴と筋肉への影響

大豆タンパク質は PDCAAS 1.0(消化性補正アミノ酸スコア) を示す
数少ない植物性タンパク質で、必須アミノ酸組成と消化性が高く、
筋肥大・筋力増加の観点でホエイと同等の効果
を示すメタ分析結果が報告されています。

急性の筋タンパク質合成ではホエイがやや優位でも、
長期的な筋量変化には大差がないというのが総合的結論です。

体重管理と食欲

タンパク質は食欲抑制に寄与する栄養素とされますが、
大豆タンパク質は他のタンパク源と比較して体重管理効果に差はないと示されています。
ホエイとの比較試験でも、食欲・代謝・摂取カロリーに有意差はありません。

たまに目にしますがソイが特別ダイエット効果があるわけではありません。

イソフラボンとホルモン

イソフラボンは「弱いエストロゲン様作用を持つ植物化合物」ですが、
作用は複雑でエストロゲン受容体βへの選択性が高く、
ヒトで強い女性ホルモン作用を示す証拠はないとされています。

男性ホルモン:41件の臨床試験メタ分析で、テストステロン・
エストラジオール・精液パラメータに影響なし。

女性ホルモン:閉経前後を問わず、エストラジオールや
卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンなど主要ホルモンに有意な影響なし。

甲状腺:トリヨードサイロニン、サイロキシンには影響なく、
甲状腺刺激ホルモンのごく小さな上昇が一部研究であるが、臨床的意義はほぼない。

総じて 「大豆=ホルモンが乱れる」は科学的根拠が弱いという立場です。

ただし過剰摂取が長期間続くことが危険がないと言いきれるわけではないので
食事+サプリなどで過剰摂取にならないように注意しておくのは大切かと思います。

がん(乳がん・前立腺がん)乳がん

乳がんについて、動物研究では懸念が示された時期があるものの、
ヒト試験では乳房組織の増殖、乳房密度、再発リスクの増加は確認されていません。
むしろ大規模コホートでは再発率・死亡率が低下する傾向が報告されています。
主要がん団体も「乳がん患者が大豆を避ける必要はない」と結論付けています。

前立腺がんの予防については「やや有望ではあるがまだ不十分」とされています。
前立腺特異抗原低下を示す試験もある一方、大規模試験では効果なしであり
摂取安全性は確認されています。

骨の健康

イソフラボンには弱いエストロゲン様作用があるため期待されているものの、
大規模かつ長期の試験ではBMD改善は一部のみとされています。

ただし、観察研究では骨折リスク低下の報告もあり、
「まだ結論は出ないが期待は持てる」という位置づけです。

まとめ

このレビューは、大豆食品は安全性が高く、
用途によっては健康上の利益が期待できる食品群である
とまとめています。

特に、筋肉、体重管理、がんリスク、更年期症状については
科学的データが蓄積されており、一般の懸念
(ホルモン乱れ・男性化・女性化など)は科学的根拠に乏しい、という立場です。

ちなみにプロテインで迷っている方で
ホエイプロテインが苦手だったり、アレルギーのある方は
ソイプロテインの活用も問題ないと思います。

ちなみに私個人としては
ホエイの方が溶けやすく、味が良いという感想を抱いております。

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TOMOAKI

パーソナルトレーナーでFLEXER COACHINGのメインコーチ。ブログでは主にオンラインコーチング上で得た知見のシェアや減量(ダイエット)、筋肥大に関する記事を執筆しています。

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