ラットプルダウン?リアローイング?

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
背中の種目と言えば、
懸垂、ラットプル、ベントオーバーあたりが
王道の種目ではないでしょうか?
懸垂、ベントオーバーは難易度が高く、
手を出しやすいラットプル。
この種目について今回は記事にしていこうと思います。

Lat pull down

まず前提として、ラットプルダウンの
対象筋は広背筋です。
ラットプルのラットって
”Latissimus dorsi muscle”
広背筋の英語の頭部分と思われます。
もしくはラテン語の
“musculus latissimus dorsi”。
どっちかですね。よっぽど英語。
なので、広背筋狙い以外は名前変わるはずです。

広背筋は上腕骨小結節稜が停止部、
起始は下位胸椎、腰椎、腸骨稜、
下位肋骨、肩甲骨下角、正中仙骨稜に
付着しています。
肩甲骨下角の部分がはっきりと
わかっていない部分なんですよね。
広背筋は肩甲骨には
付着しないとも言われるため、
これ正直分かんないんですよね。
今回は”広背筋は肩甲骨に付着する”として
話を進めていきます。
大円筋がある以上、
同じ動きをすれば、肩甲骨に
付いていようと付いていなかろうと、
動きは変わらないですが。

広背筋と大円筋の鍛え分け

たまに広背筋狙い、大円筋狙いと
分けて考える方がいますが、
個人的には不可能であると考えています

筋の走行がほぼ同じであるためです。
フロントラットプルの場合で、
引くにつれて肩甲骨が
下方回旋していくため、
肩甲骨下角に付着する
大円筋には収縮がしにくいです。
上腕骨が肩甲骨に近づこうとすれば、
肩甲骨が逃げて行ってしまうみたいな感じです。
逆に、ビハイドネックラットプルの場合、
肩甲骨の動きが出せないため、
肩甲骨下角と上腕骨が近づき、
収縮感が得られますが
これは割合の問題であって
鍛え分けとは違うかなと思います。
ビハインドは柔軟性がない人がやると
デメリットが多い種目ですの注意が必要です。
要は、肩甲骨の動きを出さずに
上腕骨を近づける。
シーテッドローイングですね。
広背筋ですね。
基本的に人間は最も力発揮をしやすいルートで
力を出すように出来ています。
広背筋と大円筋。
果たしてどちらが優位に働くかを考えれば、
鍛え分けはほぼ不可能であることが分かります。
どちらにしよ必ず、関与します。

広背筋をざっくり言うと、腕から
背中の真ん中から骨盤の方に付いてます。
動きとしては肩関節の伸展、内転、内旋、水平内転、
上腕骨を介して肩甲骨の下制、
そして、上肢固定による骨盤の挙上。
ラットプルダウンと懸垂の大きな違いは、
この”上肢固定による骨盤の挙上”が理由

にあると考えています。
最も理想的なプルは上腕と骨盤を
くっつけるような動きになります。
ラットプルは座位の為、骨盤が固定され、
骨盤の挙上は起こらず

逆に懸垂は骨盤がフリーな状態のため、
骨盤の挙上が起こります

なので骨盤も近づける懸垂の方が
ラットプルよりいいと言われるのは
これが理由になると私は考えています。
理論的にではなく、体の感覚的に
これを感じてしまう人はいい感覚を
お持ちだと言わざるを得ないです。

脱線しました。話をラットプルに戻します。
過去に初心者にありがちなエラー1で、
体の倒し過ぎはNGと記事内でご紹介しました。
理由は三角筋後部や大円筋などに負荷が逃げるからと。
エラー1で上げているやり方は、
個人的には三角筋後部を鍛えたりするときには
ありかなと考えています。
なので、三角筋後部とかなら問題は無いと思います。
広背筋狙いだとエラーフォームという話であって、
倒してはダメというわけではないです。
というか、倒さないとバーを引ききれない場合もあります
例えば、小胸筋が固い人などです。
固いまま上体を起こし、無理に引けば、
肩関節が内旋し、肩甲骨は上がり、
広背筋には刺激が入りにくくなってしまいます。
そういった人は、体を倒し引かなければなりません。
ただ理想形は、上体を立て、胸椎伸展と肩甲骨下制し、
真っすぐに引くことと考えています

上体倒した状態で引くのは、
もはや”プル”ではなく、
”ローイング”になってしまっています。
それならベントオーバーとか、
シーテッドローイングをやればいいです。

先程、胸椎伸展と書きました。
決して腰椎伸展ではないです。
どの部位、どの種目においても、
腰椎伸展は腰を痛めるため、
個人的には筋トレにおいての
一番の多く、一番正しいと勘違いされる
エラーであると考えています

※正しいと勘違いするのは初級者の話です。
上級者は胸椎伸展。
見様見真似の初級者は腰椎伸展。
素人目には形が似ていますが
全くの別物です。
ラットでも、懸垂でも
腰椎伸展を行うのは完全にNGです

腰を反ってのラットや懸垂は、
回数をこなしたいのか、
背中を鍛えたいのか謎です。
背中の上部だけ変に発達し、
背中の下部がのぺっとした
よく分からないカッコ悪い背中が完成しますよ


もう一つ。
ラットプルで過剰に手幅を広くすることについてです。
よく手幅を広くすると大円筋と言われますが、
これはは可動域が制限され、
肩甲骨の下方回旋が起こらず、
大円筋付近で感覚が出るから
そう言われています。
要は中途半端なラットプルです。
なればこそ、その感覚は本当に大円筋でしょうか?
その可動はラットプルの過程である以上、
広背筋ではないですか?
私個人で言うなら、広背筋です。
筋トレは感覚が重要なため、
大円筋であると言うなら、
大円筋であると思います。
私は違うだけです。

まとめ

ラットプルのやり方は本当に様々です。
トップの選手でも体の倒す角度も視線も、
それぞれ違います。
今回の記事はあくまで、
私個人のラットプルに対する見解でしかないでの、
当て嵌まらない人もいるかもしれません。
十人十色、筋トレの色があっていいと思います。
ただし、腰椎伸展。
これは100%間違いであると断言します。


この記事を書いた人

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。