筋肥大と挙上スピードの減速

こんにちはTOMOAKIです。
今日は筋肥大と挙上スピードの減速についてです。

SNSにてたまにパワーリフターの方が
ベンチやスクワットを行っているバーベルに
細いケーブルの様なものを付けて
挙上速度を計測しながらトレーニングされているのを見ます。

あれは何なのか?
筋肥大のメニューにおいても応用できるのか?
色々気になりましたので
今日は挙上速度の減速(VL : Velocity loss) と
筋肥大に関する論文をいくつか紹介していきます。

速度減速VL

まずは筋トレ(RT : resistance training)と
速度減速(VL) について紹介していきます。

  • 速度ベースのトレーニングによる負荷とボリュームの処方は、
    バーベルの速度と%1RMの間に逆直線関係があることを前提にしており、
    重い負荷は軽い負荷と同じ速度では持ち上げることができません。
  • さらに、運動が最大限の集中力を発揮して行われ、
    疲労が生じると、バーベル速度は必然的に低下します。
  • 実際、セット中の速度低下(VL)と疲労の機械的、
    知覚的、代謝的マーカーとの間には非常に強い相関関係があり

    また、VLと1セットで可能な最大反復回数に対する
    完了反復回数の間にも相関関係があります。
  • VLはRT中の疲労の指標として使用することができ
    ボリュームと挙上できる限界への近さを
    合理的な精度で調節するために使用することができるかもしれません。(1)

つまり挙上速度の落ちを見ることで
どれくらい疲労しているのか?などを
判断する一つの指標として使える可能性があるって感じです。
ではどれくらいの速度の落ち(VL閾値)の設定が
筋肥大にとって好ましいのか?
研究をいくつか見ていきましょう。

速度減速と筋肥大について

2022年9月に公開されたシステマティックレビュー、メタアナリシス(1)では
VL閾値の選択は、筋力および筋持久力の向上には影響しないようであるが、
VL閾値が高いほど筋肥大に優れ、
VL閾値が低いほどジャンプ、スプリント、
最大負荷以下の速度性能に優れるとされています。

ジャンプ、スプリント、サブマキシマムロードに対する速度のパフォーマンスを
最適化するためには、レジスタンストレーニング中に低~中程度の
VLしか許容しないことが有効な戦略であると思われています。

レジスタンストレーニング中にVLが高くなると、
急激に力を出すことができなくなり、
速筋線維の発現が低下し、レジスタンストレーニングからの
回復が遅れる可能性があるため、筋力および
パワートレーニングの適応、ならびにスポーツ特有の
タスクの遂行を最適化するには、
低~中程度のVLを推奨することができるとのことです。

しかし、筋肥大も目標とするならば、
規定セットの多くに中程度のVLを利用するか、
低から中程度のVLでより多くのトータルセットを実施すること
も可能とのことです。

現状のメタアナリシスでは
結局、筋肥大には中程度のVLで強度高いセット、
低~中程度にてトータルボリュームを稼ぐ
中強度のセットのどっちもやった方が良さそうですね。
やはりこういうことですね↓

また種目や個人、セット間にて
VLにはばらつきがあるとのことですので
ベンチプレスとスクワットそれぞれの
研究を少し見ていきます。

ベンチプレスに関する研究

次にベンチプレス(BP)において、男性64名を8週間
速度損失(VL)閾値を0%(VL0)、15%(VL15)、
25%(VL25)、50%(VL50)と幅広く設定し、
4つの速度ベーストレーニング(VBT)プログラム
の筋力向上、神経・筋適応、筋肥大への影響を比較した研究では

VL閾値を高くすることで、筋肥大を最大化させる
より高い負荷量を稼ぐことが可能
となり、
一方、VL閾値を低くすることで神経筋関連の正の適応が誘発されました。

筋力向上については、各群の総負荷量に大きな差があったにもかかわらず、
群間に有意差は認められなかったようです。(2)

また他の研究では
BPの55%~70%1RMの強度で約25%のVL閾値が、
動的筋力パフォーマンスと神経筋適応を最大化する最適なトレーニング刺激を提供し、
より高いVL閾値がより高い筋肥大を促進することを示しました。(3)

ベンチプレスではVL閾値高めが
筋肥大的には推奨されてるっぽいですね。

スクワットに関する研究

最後にスクワットに関する研究では、

RTプログラム設計時に、コーチおよびアスリートは、
VL40がVL20よりも高い力学的および神経筋的障害を
もたらすことを考慮すべきであるが、これは肥大が起こるために必要と思われる。
(4)

両群とも平均繊維CSAと大腿四頭筋全体の筋量が増加したが、
VL40のトレーニングはVL20よりも外側広筋と中間広筋をより大きく肥大させた。(5)

スクワットでもVL閾値高めは
筋肥大的には必要そうですね。

まとめ

筋肥大を目標にする場合は
速度損失閾値がある程度高いことを
許容するセットや種目が必要そうです。

高強度な種目やセット達ですね。

しかし閾値が高いセットだけだと
ボリュームが稼ぎにくいため
閾値がそこまで高くないセットや種目で
総負荷量を稼ぐ必要もありそうです。

筋肥大はいろんなバリエーションで
メニューを組まなければ効果的に進めるのは難しそうです。

過去記事:フリーウェイトかマシンか

参考文献

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

この記事を書いた人

TOMOAKI

2021年度JBBFジャパンオープンクラシックフィジーク168cm以下級準優勝など数多くのコンテストで優れた成績を残し続けており、2022年度から正式にmaison de FLEXER所属のパーソナルトレーナーとして指導中。KONDOやKAMEYAMAより常日頃から様々な知識を供給されそれを活かしてオンラインコーチングで月当たり約30名を指導している。