肥満の人のトレーニングと心血管リスク

こんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、過体重または肥満の成人における有酸素運動、
レジスタンス運動、または複合運動トレーニングと心血管リスクについての
論文を引用していこうと思います。

論文

この研究では、心血管疾患(CVD)リスクプロファイルに及ぼす
1年間のレジスタンス運動、有酸素運動、およびレジスタンス運動と
有酸素運動の組み合わせの効果を比較することを目的とし、
特に、実用的かつ公衆衛生に直接影響を及ぼすために、
運動群間で総運動量(すなわち60分/セッション)を均等にする時間を用いて比較した。
CVDリスクプロファイルは、4つの主要な伝統的な
CVDリスク因子(収縮期血圧、LDLコレステロール(LDL-C)、空腹時グルコース、体脂肪率)から構成された。

参加者406 名 (女性 53%) のうち、381 名 (94%) が 1 年間の追跡調査を完了しました。

結果として過体重または肥満の成人において、
有酸素運動単独またはレジスタンス運動+有酸素運動の併用は、
運動なしの対照と比較して、複合CVDリスクプロファイルを改善した。
レジスタンス運動と有酸素運動をそれぞれ半分ずつ(30分/セッション)行った併用群は、
有酸素運動のみ(60分/セッション)を行った群と同様に、
複合CVDリスクプロファイルを改善した。

このことは、米国、WHO、および欧州心臓病学会(特に肥満の患者に対して)が
レジスタンス運動と有酸素運動の両方を推奨している
現在の身体活動ガイドラインを支持するものである。
今回の所見は、さらに、運動時間を延長することなく、
有酸素運動の半分をレジスタンス運動に置き換えることが、
過体重または肥満の成人におけるCVDリスクプロファイルを
改善するための効果的な選択肢となりうるという
エビデンスに基づくデータを提供するものである。

結論として過体重または肥満の成人において
CVDリスクプロファイルを改善するためには、
有酸素運動を取り入れる必要があることが示唆された。
しかし、有酸素運動の半分をレジスタンス運動で置き換えることは、
有酸素運動だけでは得られない筋力増加という付加的な利点とともに、
CVDリスクプロファイルに同様の改善をもたらす効果的な代替手段となりうる。
これらの知見は、CVDのリスクが高い約20億人の過体重または肥満の
成人に対する臨床および公衆衛生の実践と推奨の開発に役立つ可能性がある。
しかし、この単一施設での有効性試験の結果の解釈には注意が必要であり、
大規模な有効性試験が必要である。

まとめ

心血管疾患の予防には有酸素運動と
レジスタンストレーニング(筋トレ)の2つを行いましょう。
そうすれば時間を増やすことなく効果的な可能性があるようです。

そもそも運動を増やすのは心血管疾患にいいですが、
肥満や過体重は別のリスクも高くなるので早々に改善すべきではありますね。

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この記事を書いた人

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。