五十肩の痛みと可動域の関係

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、五十肩の痛みと可動域の関係についての
論文を引用していこうと思います。

論文

本研究では、凍結肩(FS)患者における麻酔前後の肩関節関節可動域(ROM)の変化を測定し、
これらの変化に影響を与える因子を検討することを目的とした。

54名のFS患者(男性17名、女性37名)を対象とし、平均年齢は55.6歳(41-80歳)。
平均罹病期間は6.6ヶ月(2-24ヶ月)であった。

結果として、FS患者の麻酔投与前後のROM変化が疼痛強度と相関することを示し、
疼痛強度がROM測定に直接影響することを示している。

全身麻酔下でROMが外転(AD)で55°から110°に、外旋(ER)で15°から40°に
有意に増加したFS患者の症例を報告した。
ADでは13肩(24%)、ERでは23肩 (43%)が50°以上の増加を示した。
この研究では、20年以上の経験を持つ整形外科医が、
外来受診時のROMに基づいてFSを判断したが
伝達麻酔後にROMが有意に変化した患者も少なからずいた。
これらの先行研究およびわれわれの研究は、疼痛、筋収縮を伴うROMと疼痛を
伴わないROMとでは臨床的意味合いが異なることを示している。

本研究では、麻酔前後の肩関節 ROM の変化(ΔROM)は疼痛強度と相関していたが、
麻酔前後のROMは疼痛強度と相関していなかった。
FS患者におけるROMと疼痛の関係についての報告は少ない。
FSにおける受動的ROMと、肩甲上腕靭帯(CHL)や下肩甲上腕靭帯の厚さなどの
構造的因子との間に関連性を見出しているが、
本研究のような疼痛強度との関連性は見出していない。
一方、本研究においてΔROMと疼痛強度が相関していたことは新たな知見である。
FSの診断や病期分類を行う上で、正確なROM評価は重要であるが、
強い痛みがある場合には正確な測定ができない。
FSの重要な特徴として、ROMの減少が固定的で痛みに影響されないことを報告している。
ΔROMが小さければ、痛みによる筋保護はほとんど影響せず真のROM制限を示す可能性がある。
本研究では、夜間痛、運動時痛、ΔROMの関係は明確でなかった。
いずれにせよ、ΔROMが生じない状態で評価することが望ましく、
外来でも疼痛緩和後にROM評価を行うべきである。

罹病期間とERのΔROMは有意に負の相関を示した。
罹病期間とERのROMは負の相関を示し、CHLの厚さは正の相関を示した。
FSにおけるこの病期分類は、症状が重複しているため未だ議論の余地があるが、
CHLは早期よりも後期の方が硬いと報告されている。
これは、罹病期間が長くなるとCHLや関節包が構造的に硬くなるため、
麻酔後のROMが変化しにくくなることを示している。

しかし、FS患者において疼痛時に積極的なROM運動は
疼痛を増悪させることを報告している。
このように、疼痛を伴う肩関節の動きの確実で正確な評価は臨床上の課題である。
本研究では、肩関節マニピュレーションを行う前のFS患者を対象としたため、
伝達麻酔を用いて疼痛や筋収縮を伴わずに前後のROMを
評価することが可能であったが外来診療などの臨床現場では困難である。
そのため、疼痛緩和効果が高いと報告されているステロイドの関節内注射の前後にROMを評価する必要がある。
痛みによるROM制限を克服した後、残存するROM制限は真の拘縮として治療されるべきである。

結論として、FS患者のROMは、疼痛や筋収縮の影響を受けやすいため、
疼痛緩和後に理学療法などの介入を行うことが推奨される。

まとめ

痛みがあれば可動域が変わり分かりませんよって感じですね。
謎にパーソナルトレーニングでも関節可動域調べるところありますけど
大半は必要性が皆無だと思っています。
パーソナルトレーニング受けに来たの?リハビリ受けに来たの?ってなっちゃうじゃないですか。
ストレッチとか多めでやるのもそうです。整体来たの?って。
トレーナーとしての本来の領分を勘違いしているのを見ると
なんだかなぁって気分になります。
必要不必要を判断してやるのは必要ですけどやたらとやるところは無駄ですね。
そういうところはだいたい脚トレで大腿四頭筋ばっか発達させて
肩関節内旋ラットプルダウン行っています。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。