確証バイアス強めな人たちへ。食塩に良いも悪いもありません。

KONDOです。

人工甘味料を毛嫌いする人と
通じるものが塩にもあります。
彼らは毒性学はもちろんのこと
栄養学、栄養疫学のえの字もありませんね。

塩分と言えばちょっと前に前田敦子氏が
普段から子どもも含めて塩分を抜いた食事をしている
と発言して界隈をざわつかせておりました。
うん、死ぬよ?笑

この記事を参照すると当の本人の持論として
「人の見た目って塩分で大体変わってきませんか?」と。
きっと栄養学はもちろん簡単な生物の知識も
何も無いのでしょうから致し方ありません。

が、こういった確証バイアスの強い人たちって
本当にたちが悪い
です。

確証バイアスというのはですね
自分の思い込みや願望に沿った情報ばかり
収集したり目が行きがちで
そうではないそれを否定するものの情報には
全く目もくれず、軽視する傾向のことです。
そしてこういったユニークな持論を持った人や
確証バイアスの強めな人や
本当は誤りだしアウトだけども
それが正しい知識だと誤認している人も勿論あります。

今回は塩が主題ですので塩について書いていきます。

塩の表示にはルールがある

まず皆さんこういう文言見たことありませんか?

「天然塩」
「ミネラル豊富」

これ、実は法律としてアウトなんです。
塩事業法という法律が実は施行されています。
塩を作る事業者はこの塩事業法に則って
製造・流通しています。

そしてその法律に則っているため
表示ルールがあるのです。

天然塩というのは
人工的に手が加わっていない自然のままの塩、
を指しますが販売する上では
自然塩や天然塩などといった表記は認められておりません

自然塩や天然塩という言葉は過去に
塩業界がマーケティングのためにつくった
耳障りの良い宣伝ワード
です。
このワードが「身体に良い」「おいしい」などを
思わせるためこれが結果として苦情となって
公正取引委員会や東京都が
掘り出した岩塩や湖塩などの本当に天然な塩も
存在はしますが「自然塩」や「天然塩」といった
表記は行うべきでないという勧告が成されて
以降表示に使用してはならないとなりました。

加えて、塩に限った話ではありませんが
「健康に良い」「美容に良い」と謳った食品の販売は
食品衛生法や薬機法により禁止されております。

世の中その様なワードが飛び交っておりますが
本来はダメ、なのです。馬鹿しか使いませんが。
だから「健康に良い塩」というワードはダメです。

「ミネラル豊富」というワードについてですが、
人間に必須なミラネルは16種類あり、
最も摂取しているミネラルはナトリウムです。
ちなみに2020年の食事摂取基準を参照すると
特に不足しやすいのがカルシウム、カリウム、
鉄や亜鉛になります。
「ミネラル豊富な塩」というワードは
「水が豊富なお茶」みたいな感じのニュアンス
です。
笑えますよね。何当たり前な事言っとるんやって。

「ミネラル豊富」という表示がダメな理由としては
全てのミネラルが十分に含まれていると
誤解させる可能性があるという点
です。
ただ、例えば「カルシウム豊富な塩」みたいに
特定の栄養素をピックアップして
健康増進法に則って記載することは可能です。

良い塩悪い塩

ミネラル含有の違いで
人によっては「しょっぱい」「辛い」「甘い」「苦い」
と差があり絶対的なものではないため
味覚的な訴求の表現は取り締まられておりません

先述の通り
「健康に良い」「美容に良い」の様な
機能性を謳うものであったり
他と比べて特別優れている様な印象を
与えるような歌い方はNG
です。

でも世の中には
「これは良い塩」
「これは悪い塩」
の様に区別して発信する方が居ます。

Instagramで
#天然塩 とか検索すると馬鹿がいっぱい出てきますが
「良い塩」と謳っている人の投稿を見ると
塩化ナトリウム含有量の話と
ミネラル含有量の話を主に引き合いに出して
発信しているようです。

塩の定義は
塩化ナトリウム40%以上の固形物を指します。
一般的に販売されてい食卓塩というか精製塩は
だいたい99%含有で、伯方の塩が96%、
赤穂の天塩は92%、海の精は86%、
ちんすこうとかでよく目にする雪塩は77%
たとえば沖縄のぬちまーすという塩は74%ほどです。
製造方法の違いにより呼称も変わってきますが
その製造方法の違いによって含有率が異なります。

要するに悪い塩の定義はおそらく
この塩化ナトリウム含有率が高いものを指しており、
製造過程でミネラルが除かれているから
ミネラルをより摂れる塩が良いよね
って考えなのでしょう。
・・・ミクロな視点が無くて幸せですね。

そういう含有率だけの話であれば
塩化ナトリウムが高いものより低いものの方が
ナトリウム摂取量の抑制に繋がります

そこだけが利点なのではないでしょうかね。
ただ、それが良い塩悪い塩と区別されるのは別の話で
言い方としては”better”なのでは?と。
ナトリウム摂取量を少しばかり抑制できる塩
って言い方はアリだとは思いますが。

ミネラルの摂取源?

食塩の摂取量目安としては
男性で7.5g/日、女性は6.5g/日 で
基本的に高血圧予防の観点からも6.0g/日、
WHOでは5.0g/日 未満
としています。

ミネラルの摂取源はそもそも塩だけじゃなく
当たり前ですが他の食材から多く摂取しています。

先述の通り亜鉛や鉄など不足しがちな
ミネラルが存在していることは事実なのですが
食塩の種類によってそれが補えるか?と言えば
また別の話です。

”良い塩”は「ミネラルのバランスが良い」だなんて
Instagramで検索すると発信されていますが
前述の通り、何もミネラルの摂取源は塩だけでなく
当たり前に他の食材からしかも多く摂取しているので
・・・お前塩だけからしかミネラル摂ってねえんか?
って話なわけですよ。お前塩しか食わねえんだな?って。

ということでミネラルバランスが良いと
謳われている塩を摂ったとしてもですね
食材によるミネラル摂取量など種々雑多なので
関係ねえよね、ってことです。

この時点で良い塩とされている塩のメリットの
ミネラルやそのバランスについては論外
です。

また、当ジムのお客さんから
「天然塩なら積極的に摂って良い」
「天然塩ならどれだけ摂っても良い」と聞いたと
言われましたがこれも大きな間違いです。

塩には塩化ナトリウムが必ず含まれますので
前述の通りの摂取量目安を超えた
塩分過多な生活をすると害でしかないです。
ミネラルは塩以外から当たり前に摂取しています。

まとめ

  • 減塩は高血圧予防など様々効果的であるが
    塩分も人体に必要である
  • 「天然塩」「ミネラル豊富」などと謳ってはダメ
  • 人間が最も摂取しているミネラルはナトリウム
  • ミネラルは他の食材から当たり前により多く摂取している
  • 良い塩も悪い塩も無い
  • 良い塩と呼ばれているものは単純に塩化ナトリウム含有率が
    低く、他の添加物も混在されていないものというだけ

Instagramにて塩についてのお馬鹿投稿を見ようと
検索して漁っていたらどうやら豊橋でも
塩についてのセミナーや怪しげな塩を販売しているところも
ちょいちょいあるようです。
サイトに飛んでその販売されている塩を見てみたら
「ミネラル70種類」「バランスよく」
って書いてありました。鼻水が出ました。
先述の通り人間に必須なミネラルは16種類。
70種類という数字を出すことで
他の塩製品よりも秀でていると見せてますね。
そんでバランス良くって・・具体的な数字を出してほしいですね。

結論として良い塩と悪い塩なんて区別は不要で
良い塩と呼ばれているものは
単純に塩化ナトリウム含有率が低めってだけで
ミネラルについては気にする必要はない、ということです。
確かにミネラルの違いにより味覚的な感じ方は変わるんで
そういう意味では好みの探すと面白いかもですね。
ナトリウム摂取過多な現代、
少しばかりのナトリウム摂取抑制目的という感じで
いわゆる”良い塩”とやらを摂るのは良いかもですね。
でもベースとしては摂取量目安を超えないようにね、です。

良い塩、悪い塩って呼び方はダメです。



















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