-500㎉

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、減量において除脂肪体重を極力減らさないための
カロリー設定についての論文を引用していこう思います。
今年、流行ったのか、話題になっただけなのか謎ですが、
900㎉や、それ以下の設定にしている減量方法です。
愚行、浅慮、無知。
様々な悪口が出てきそうなこのカロリー設定。
当ジムのブログを読んでいただいてる方ならば、
分かるかと思いますが、デメリットばかりです。
特別な理由でもない限りは、
食事ははしっかり摂るべきです。

論文

若いアスリートから、高齢者まで生涯を通じて、
エネルギー不足の期間が発生します。
ネルギー不足は生殖・代謝ホルモンが抑制されることが示されており、
骨の健康が損なわれるなどの、健康への悪影響を及ぼすことが分かってきました。
このようなエネルギー不足状態におけるレジスタンストレーニング(RT)は、
RTに対するホルモンの反応が悪くなる可能性があります。
さらに、短期的なエネルギー不足では、筋タンパク質合成も抑制され、
しばしば除脂肪体重(LM)の減少も伴います。
しかし、長期にわたるエネルギー不足がRTに及ぼす影響については、
まだ解明されていません。
本研究は3週間以上のエネルギー不足状態でのRT(RT+ED)を実施した
無作為化対照試験のシステマティックレビューを行った。
まず、エネルギー不足のない並行対象群を持つ研究(RT+CON;分析A)と
RT+CONを持たない研究(分析B)に分けた。
分析Aとして、RT+EDとRT+CONでLMと筋力の増加を比較したメタアナリシスです。
分析Bの研究は、被験者と介入の特徴について、
別々のRT+CON研究とマッチさせ、質的に、
RT+EDとRT+CONのLMと筋力の増加を定性的に比較した。
最後に分析AとBは、エネルギー不足の大きさと
RT+EDとの関係を検討するメタ回帰にプールされた。

結果として、分析Aでは、RT+EDとRT+CONでは、
LMの向上が損なわれていたが、筋力の向上は条件間でも同等であった。
分析BではRT+ED対RT+CONでLMの障害が支持されたが、筋力は支持されなかった。
最後に、メタ回帰では、500㎉/日 程度のエネルギー不足が
LMの向上を妨げることが示された

LMを増強するためにRTを行う人は、
長期にわたるエネルギー不足を避けるべきであり、
減量中にLMを維持するためにRTを行う人は、
500㎉/日を越えるエネルギー不足を避けるべき
である。

まとめ

万年カロリー制限ダイエッターの皆々様。
あなた方が減らしているのは脂肪ではなく、
除脂肪体重、つまり筋肉などです。
腰が曲がった老後が楽しみですね。

大会に出ている選手などで減量時に極端なカロリー制限を行っている人。
年間通して成長していない理由は、
単純に過度なカロリー制限による除脂肪体重の減少が理由の可能性があります。
もちろん、減量である以上は除脂肪体重の減少は仕方が無い部分はありますが、
筋肉を育てて、筋肉を削るってあまり望ましくはないです。
何のためにRTを行っているか分からなくなります。

一般的にも、減量=カロリー制限と考えることが多いと思います。
カロリー制限をする場合もありますが、大前提として食べなければいけません。
当ジムのお客様の減量方法は基本的に”食べてもらう”ことが多いです。
「これ以上は食べれん」と嘆いた方が何人いたことか。
普段の間食や軽食、休日のドカ食いを抑え、
平日からしっかりとご飯を食べること。
これが一番健康的に、除脂肪体重の減少も抑えつつの
減量を行う方法であると考えています。

全然別の話にはなりますが、
停滞する度に摂取カロリーを抑える人。
最終的に0㎉で生活する気なんですかね。
それとも光合成とかだけで生きていける感じに体が作り替わるんですかね。
すごい疑問です。

この記事を書いた人

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。