睡眠時無呼吸症候群に対する鼻・口呼吸の影響

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者の気道虚脱に対する
鼻呼吸と口呼吸の影響についての論文を引用していこうと思います。

論文

本研究の目的は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)患者において、
気流速度と計算流体力学(CFD)技術を用いて算出した静圧で表される
咽頭気道の潰れやすさに及ぼす呼吸経路の影響を調べることである。

参加者は鼻閉のないOSAの日本人男性14名であった。
(年齢42.6±7.7歳、肥満度28.4±5.5kg/m2、無呼吸低呼吸指数43.7±21.6/h、鼻腔抵抗0.27±0.11Pa/cm3/s)。

このCFD研究では、2つの新しい知見が得られた。
第一に、気流速度と静圧は口呼吸時に最も高く、
口呼吸が3つの呼吸条件において咽頭虚脱を引き起こす主要な条件であることが示唆された。

第二に、口を閉じた鼻呼吸中の気流は、広がりや乱れ、
不安定さがなく、呼吸経路全体を通してスムーズであった。
一方、口を開けた鼻呼吸中の気流は、広がりや乱れ、不安定な流れとなった。

以前の研究では、口呼吸は3つの主要なパターンに分けられることが示された。
これらの3つのパターンにおいて、自発的覚醒に関連した口呼吸は、
軽度から中等度の睡眠呼吸障害患者に典型的にみられる鼻閉と関連していた。
鼻の抵抗が増加すると、口が開き、口呼吸になる。鼻腔気道閉塞が重度で、
吸気抵抗負荷が高い場合、鼻腔抵抗はある閾値を超え、
鼻腔呼吸は鼻腔気道閉塞を迂回するために口呼吸に切り替わる。
本研究の結果は、上述の生理学的研究の結果と一致している。
気道虚脱を起こしやすい患者や習慣的な口呼吸の患者では、
口呼吸により口が開き、口呼吸が持続する。
その結果、イベント後やイベント中に口呼吸の流れが生じ、
無呼吸や低呼吸などの呼吸イベントが誘発される。

結論として、鼻呼吸および口呼吸における計算流体力学の結果から、
スターリング抵抗体モデルの概念に基づき、口呼吸が咽頭気道の
虚脱につながる主な条件であることが明らかになった。
口を閉じた鼻呼吸では、口を開けた鼻呼吸に比べて、
呼吸経路全体を通して空気の流れがスムーズであった。

まとめ

呼吸を意識するだけで日常生活も
運動パフォーマンスも大きく変わります。
睡眠時無呼吸症候群は慢性的な寝不足状態になったりするので、
色々なパフォーマンスが低下していきます。
そうならないために日常生活でも鼻でも
しっかり吸えるようにはしておくべきだと思います。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。