骨格筋萎縮に対する血流制限トレーニング

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、筋骨格系損傷に伴う骨格筋萎縮に対する
介入としての代謝ストレスと血流制限トレーニングについての
論文を引用していこうと思います。

論文

骨格筋の減少は、一般の臨床患者だけでなく、
筋骨格系(MSK)損傷から回復したアスリートにも
重大な健康問題をもたらすものである。
レジスタンストレーニングは骨格筋肥大(SMH)を誘発することが知られており、
そのような変化を引き起こすには1反復最大(1RM)の70%が有利であるが、
これが必須ではないことを示唆する証拠が増えている。
このため、骨格筋肥大の刺激として、機械的張力よりも
代謝的ストレスをターゲットにする方がより好ましいと考えられます。

血流制限トレーニング(BFR)は、運動誘発性代謝ストレスを
相当レベルまで高めることができる効果的な方法のひとつです。
代謝ストレスは、運動単位の漸進的な動員を妨げ、
低い負荷で総繊維動員数の高い割合を要求し、
II型繊維の活性化を増加させるのです。
このことは、代謝性ストレスが機械的張力の増加を
通じて間接的にSMHを誘発する可能性を示唆している。
これにもかかわらず、21歳(±1歳)の男性に
10週間のトレーニングプログラムを実施し、
30%1RMと80%1RMでボリュームマッチした
レジスタンストレーニングを行った個人間で、
SMHに同様の効果があることがわかりました。
このことは、機械的張力は、かつて考えられていたほどSMHの刺激としては重要ではなく、
代謝産物による疲労に到達しさえすれば、
同等の肥大の増加が達成されることを示しています。
このことは、代謝性ストレスがSMHの調節因子として
十分に評価されているかどうかという問題を提起している。

術後のアスリートでは、
感染症や運動不足が非常に重要な危険因子であり、
BFRによって悪化する可能性がある。
BFRが運動不足の患者の横紋筋融解症のリスクを高め、
筋肉内容物の循環への分泌が腎臓損傷と
感染リスクの上昇につながる可能性があることを強調した。
したがって、BFRは、動かず感染症のリスクが
高い寝たきりの患者のリハビリテーションの方法としては
不適当であるということができます。
しかし、従来のリハビリテーション・トレーニング・プログラムに
消極的な患者でも、低負荷の運動とBFRなら
克服できるかもしれませんし、
動けるようになることで得られる利益は、

関連するリスクを上回ると考えられます。
したがって、適切な適用と十分な医学的背景の確認がなされれば、
BFRの効果は、止血を減らし、損傷肢に適切な血流を回復させることによって、
実際に血管血栓塞栓症
VTE)リスクを減少させる可能性があるのである。

研究の限界として、この心血管系の反応について詳細な説明がなされていない。
したがって、別の研究によると、BFRは、代謝反射的(乳酸蓄積)および
機械反射的(圧力印加)なサブコンポーネントの両方を標的とすることで、
運動圧反射(EPR)を活性化することが示唆されている。
EPRは、自律神経系の反応に寄与しているため、
EPRが上昇すると、交感神経駆動が大きくなり、
有害な心イベントのリスクが高くなる。
最後に、この種のトレーニングを支持する説得力のある議論にもかかわらず、
代謝ストレスとBFRの根本的なメカニズムは、まだ議論中であるようです。

結論として、アスリートにおける骨格筋萎縮の有害な影響は、
SMHのメディエーターとして代謝ストレスを利用することで標的とし、
克服することができる
可能性がある。

これにより、MSK損傷または手術後の身体活動への迅速な復帰が可能になる。
このことは、臨床的な進行とプレーへの復帰の主要な決定要因であることが知られている。
BFRトレーニングは、抵抗運動による代謝ストレスを達成できる効果的な方法であり、
そのため、回復した手足や関節に高いレベルの機械的張力を加える必要性が軽減されます。
BFRの使用に関しては様々な注意が必要であり、
コーチングや臨床の場で適用する前に適切なトレーニングを実施する必要があります。

まとめ

とは言っても個人的にはリスクを負うぐらいなら
無難に段階踏んでいく王道的なやり方の方が
いいかなと思ってしまいますね。
伸張系の種目もタイミングと身体の状態次第で
全然怪我無くも出来るわけなので、
まずは筋トレなどもありかなと思います。
いきなりの全力スポーツはNGですかね。

というか個人的に血流制限嫌いです。
あのストレスは直感的に不快感を感じるので
私は好きになれないだけですが。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。