ミリタリープレスの腰痛

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、ミリタリープレスにおける
腰痛の危険性について考えていこうと思います。

ミリタリープレスとは

ミリタリープレス(MP)は、
立位姿勢で鎖骨下付近にバーベルを置き、
頭上までバーベルを上げる種目をいいます。
名前の由来は軍隊でライフルや背嚢を
頭上に上げて行うトレーニングが由来とも言われていますが、
正直なところ知らないです。

では、この種目の危険性、腰痛になる可能性について考えていきます。
MPはスタートのポジションでは
そこまでの危険性は考えられないのですが、
動作中や頭上に手が上がったポジションに
注意点があるかなと思います。

MPの動作は肩関節屈曲、肘関節伸展がメインの動きになります。
ただショルダープレスなどぐらいの可動範囲で
屈曲していくだけだとそこまでの危険性はないですが、
MPでは屈曲が最大(180°)になるにつれて
外転終末相(第三相150°~180°)と同様に
体幹部分の共働、腰椎の前彎増大が必須です。
カパンディ関節の生理学Ⅰ上肢参照)
つまり、180°まで挙上する際に、
腰椎伸展が入る可能性があり、
そこにバーベルの重さがかかれば、
容易に腰痛に繋がるかと思います。


ただ、腰痛になる人もいれば、ならない人もいる。
その差は何のかと考える際に、
水泳の蹴伸び姿勢から少しヒントを得てみようと思います。

こちらは腰痛持ちの競泳選手、
腰痛群9名、非腰痛群15を対象とし
立位と陸上で再現した蹴伸びの2条件で
体幹アライメントの特徴を調べたものです。
結論として腰痛群は、蹴伸び姿勢において
過度な腰椎前彎を呈しやすく、
その原因として下位胸郭の柔軟性低下が
関係していることが示唆されたという結果です。

腰痛群の蹴伸び姿勢のように、
肋骨が突出した体幹アライメントでは、
腹筋群が伸長位になるため、
筋活動のコントロールが難しく、
機能不全に陥りやすい状態となります。

また、過度な腰椎前弯では、
腹圧もかかりにくくなり、
筋、骨などで無理な姿勢保持になるため、
腰痛に繋がりやすくなります。
下画像〇付近背面側に痛みは出るかなと思います。

ミリタリープレスの挙上姿勢は
屈曲180°になるわけなので、
蹴伸び姿勢(屈曲180°)時で
腰痛持ちと非腰痛持ちの差は
下位胸郭の柔軟性低下である以上は、
MP時でも下位胸郭の柔軟性低下は
腰痛繋がる可能性が考えられます。
水中で浮力も掛かり、
脊柱に垂直に負荷がかかっていない
水泳選手でも腰痛が出る訳なので、
地上で重力を受け、重さを持てば、
容易に腰痛に繋がることが想像できますね。

下位胸郭の柔軟性低下。
コンディショニングをしていない人なら
ほとんど可動が出ていない部分ですね。
円背、反り腰の人は特にですね。
下位胸郭の柔軟性低下ならば
どうすればいいのか?となりますが、
腹筋群動かしたり、広背筋動かしたり、
前鋸筋動かしたり、臀筋群動かしたり、色々です。
胸郭、骨盤の回旋可動域出しにいけば
自然と動きは出るかなと思います。

まとめ

ミリタリープレスは肩関節において
かなりいい種目です。
腹圧が適切に出来れば重量も使えますし、
肩関節の動きの体感的な目安になります。
メリットが多いですが、難易度も高いので
腰が痛くなりそうならばやるべきではないです。
ただ、出来るようにはするべきかなと思います。

過去おすすめ記事
・ショルダープレスについて

この記事を書いた人

アバター画像

KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。