運動誘発性痛覚低下について

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、運動誘発性痛覚低下は運動トレーニングで改善するのかについての
論文を引用していこうと思います。

論文

運動誘発性痛覚低下症は通常、個人の痛覚閾値(痛みとして知覚される侵害刺激の最小強度)および
痛覚耐性(侵害刺激の最大耐容強度)の急性変化(運動前~運動後)を調べることで検討される。
しかし、この痛覚減退作用は、慢性疼痛を持つ人や高齢者ではあまり一貫していない。
例えば、線維筋痛症や慢性疲労症候群のような
慢性疼痛を有する人では、運動誘発性の痛覚減退が損なわれている。

この研究の目的は、利用可能な文献をレビューし、
運動誘発性痛覚減退の大きさに運動トレーニングが(もしあるとすれば)
どのような影響を及ぼすかを明らかにし、潜在的な基礎メカニズムと
今後の研究課題について議論することである。

結果として健康な高齢者(66~77歳)では、
週に中等度から強度の身体活動を定期的に行っている人ほど、
等尺性ハンドグリップ運動後に圧痛閾値が大きく上昇することが観察された。
この知見に基づき、運動の潜在的な有益性を示唆した。

内因性オピオイド系、セロトニン作動性系、心血管系、免疫系など、
健康な若年者における運動誘発性痛覚低下を説明するために、
いくつかの提案されたメカニズムが他の場所で議論されている。
これらの潜在的なメカニズムは完全には解明されていないが、
これらのシステムは慢性疼痛や加齢によって変化するようであり、
運動誘発性痛覚減退の減少や障害を説明できる可能性がある。

結論として、健康な若年者では、1回の運動を行うだけで、
痛覚過敏が 急激に低下する(運動誘発性痛覚低下)ことが多い。
しかし、慢性疼痛や高齢者では、運動誘発性痛覚低下が
減弱または障害されることを示す文献が多数存在する。
運動トレーニングは、さまざまな集団において健康全般に
有益であるとして広く奨励されている。
しかし、運動トレーニングによって痛覚減退の程度が改善されるかどうかは不明である。

まとめ

運動すると肩こりとか慢性的な痛みなどが感じなく、感じにくくなるのは
メカニズムは断言できずともこういった理由があります。
痛みを感じにくくなるというのは
身体にとってデメリット以外の何物でもないです。
運動しとくとメリットあるかもぐらいに思ってみてください。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。