クロノタイプに応じた睡眠の質と運動能力について

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、クロノタイプに応じた睡眠の質と運動能力についての
論文を引用していこうと思います。

論文

この研究の目的は、クロノタイプ質問票を用いて概日リズムを分類し、
睡眠の質とアスリートのパフォーマンスについて調査することを目的とした。

本研究では、エリートアスリート340名(男性261名、女性79名)を対象とした。
バスケットボール(n=12)、ラグビー(n=22)、レスリング(n=5)、
ボクシング(n=1)、ショートトラック(n=5)、水泳(n=14)、
スカッシュ(n=8)、野球(n=103)、 ウェイトリフティング(n=3)、
柔道(n=6)、ソフトテニス(n=11)、ボート(n=34)、
カヌー(n=9)、テニス(n=1)、フェンシング(n=6)、
フィールドホッケー(n=33)、ハンドボール(n=67)が募集された。
すべての参加者は、質問票(MEQ-K)を用いて、
クロノタイプのスクリーニングを受けた。
絶対朝型(DM)なし、中程度朝型(MM)13名(男性=11名、女性=2名)、
どちらでもない(NT)169名(男性=136名、女性=28名)、
中程度夕方型(ME)111名(男性=75名、女性=33名)、
絶対夕方型(DE)61名(男性=39名、女性=16名)であった。
年齢、身長、体重、BMI、キャリアに有意差はなかった。

その結果、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)グローバルスコア、
PSQI睡眠の質、PSQI入眠潜時、PSQI睡眠障害、PSQI日中機能障害は、
年代によって有意差が認められた。
また、WAnTの各項目(パワー低下、平均パワー、ピークパワー)は、
年代によって有意差が認められた。

さらに、PSQIスコアとWAnTの間には負の相関が認められた。

思春期から成人期にかけてのアスリートの睡眠の質の低下と
概日睡眠相の遅延は、実質的な運動能力の低下を示唆している。
本研究では、PSQIグローバルスコア、睡眠の質、
入眠潜時は、MM型が他の後期型(NT型、ME型、DE型)よりも優れていることが明らかになった。
さらに、PSQIスコアとWAnTの間には負の相関がみられた。
先行研究では、健康成人において、長期の睡眠不足は、
交感神経の亢進、副交感神経の心血管制御の低下、
自発的不快感感受性の低下と関連していることが報告されている。
入眠遅延、心拍数増加による睡眠時間の有意な生理的興奮を報告しており、
その結果は、睡眠時間中に大きな生理的興奮を引き起こし、
入眠を妨げる可能性 を示している。

アスリートのパフォーマンスには、クロノタイプによる有意差が認められた。
朝型と夜型の有意な差は、入眠潜時であった。
睡眠覚醒パターンの機能不全と入眠潜時の増加との間に
強い関係があることを報告している。
結局、入眠潜時の増加は睡眠の質に悪影響を及ぼす。

結論として、エリートアスリートにおいて、
睡眠の質の低下とクロノタイプのレイトタイプが関連し、
アスリートのパフォーマンスを低下させる可能性があることを示している。

また、睡眠の質は、早期型の方が後期型よりもはるかに優れていた。
さらに、アスリートの運動能力も、早期型の方が後期型よりも優れていた。

アスリートは自分のクロノタイプを知り、
できればその時間帯にトレーニングスケジュールを組むことが
パフォーマンス向上に効果的である。
そのためには、特にスポーツ競技が主に開幕する時期に、
アスリートが規則正しい生活習慣を持つように促す必要がある。
さらに、今後の研究では、介入研究がクロノタイプによって
アスリートのパフォーマンスや睡眠の質にどのような影響を
与えるかを明らかにする必要がある。

まとめ

人それぞれのタイプはあれど規則正しく生活しましょう。
自分がどういったタイプか知ることは様々なメリットがあるかなと思います。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。